2014年09月08日

厄年に子供が生まれた場合

『諸國風俗問状答』 という書物があります。
昭和17年に刊行されていますが、文化10年ころに編纂に取り掛かった 「諸國風俗問状答」 を活字化したもののようです。

この書物の中に 「和歌山風俗記」 というのがありますが、そこには厄年についてこんなことが書かれています。

一、男四十一歳に男兒出生して、四十二歳の歳になれば、四十二の二つ子といみきらひて産れし時、他人の子になすとて捨子として、他人の方へ拾いもらふやう使し置、禮物の酒肴などおくりてもらひ戻す事なり。・・・(中略)・・・男四十二の年(ママ)に二歳なる子にても、女子なれば、却つてよしとの云ひならはせなり。


つまり、男性が41歳の時に男の子が生まれると、「42の2つ子」といって縁起が悪いとされ、一旦(形式的に)捨て子にして他人の子とするのが良い。拾ってもらう人にはお礼をして子供を返してもらう。男性42歳の時に2歳の子供がいてもそれが女の子であれば良いことだととも云われる。

という意味でしょうか。尚、江戸時代に記されたものですから、ここで記されている年齢は全て数え年です。
42歳というのは男性の本厄(大厄)です。新生児は数え年では1歳ですから、父親が41歳で生まれた子は、翌年2歳になります。
つまり42歳の父親に2歳の子供となるわけです。

厄年に生まれた子に災難がないようにと、形式的に捨て子にする習慣はいろんな形で全国にあるようです。
私が知っているのは、出産する母親が厄年の場合というものです。
同じように、拾ってくれる人を予めお願いして、その家の玄関に置いて捨て子にし、その後返してもらうという風習でした。

「和歌山風俗記」ですから、和歌山の風習としては父親が本厄で、その子供が男の子で2歳というのは災難になるということでしょうか。
ですから、生まれたときに一旦捨て子にして他人の子として、他人の子を引き取ることで自分の子ではないという形にするのでしょう。

現在、和歌山でこの習慣に従っている方っているのでしょうか・・・。



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Posted by 木霊 at 12:03│Comments(0)伝統・文化
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