2021年10月25日

李下に冠を正さず (七五三詣の写真撮影)

10月も下旬になりました。巷では七五三詣が始まっていますね。
七五三の祝い日は11月15日とされていますが、七五三に関する問い合わせは年々早くなり、最近では6月頃には問い合わせが来たりします。
問い合わせだけでなく、参拝日も10月とか9月を希望される方も増えていますね。
伊太祁曽神社では、9月や10月でもお詣り自体はお受けしていますが、千歳飴などのお土産は10月末の土日まで準備をしていません。
(令和3年は10月23日より準備を整えてお待ちしております)

写真館や貸衣装の予約に早期割引があったりすることや、11月15日やその近辺の土日は混雑が予想されるというのが、年々早くなってゆく理由ではないかと想像しています。

今回は、七五三詣での写真撮影について記しておきたいと思います。
七五三詣の意味や注意事項などについては別のところに記載しましたのでそちらを参考にしていただければと思います。
七五三詣のあれこれ」(伊太祁曽神社公式)

まず、タイトルを 「李下に冠を正さず」 としましたがこの意味をご存知ですか?
李下に冠を正さず (りかに かんむりを たださず)
「李(すもも)の木の下で、手を上げて冠をかぶり直すようなことはしない」という意味です。
これはスモモを盗んでいるのではないかと勘違いされないための用心です。
同義の故事に 「瓜田に履を納れず(かでんに くつをいれず)」というのがあります。
ウリ畑でかがみ込んで履物を履き直すような行為は、ウリを盗んでいるのではないかという疑念を抱かれるということです。
要は、疑いを招くような紛らわしいことはしないほうが良いという戒めの故事成語ですね。

この故事成語と七五三詣での写真撮影がどう関係するのかということですが・・・。

七五三は子供の成長を祝い 「髪置き」 や 「袴着」 「帯解き」 などといった成長儀礼を行うものです。
そして、その無事な成長を氏神様などに感謝し参拝することを、七五三詣と呼んでいます。

参拝に際しては、神社によっては写真撮影ができない場所がある場合があります。
大抵、撮影禁止の場所にはその旨がわかるように案内が出されているので気付くかと思います。
神社によっては口頭で説明を行うところもあります。

いずれにしても、撮影禁止の場所や場面では、お持ちのカメラの電源を切り、できればレンズキャップをしましょう。
レンズがむき出しであったり、更には電源が入っていたりすると、もしかして撮影禁止だけど撮影するのかも知れないと思われるかも知れません。

祈願中の写真撮影に対する対応は神社によって様々ですが、少なくとも祝詞奏上中の撮影は禁止にしている神社がほとんどだと思います。
また、多くの神社では神域内での撮影は禁止にしていることが多いと思います。
子供の晴れの場であり、めったに入ることのない区域なので写真撮影して記録に残しておきたいという親心はわかりますが、祈願中に行うべきことは 「子供の成長を感謝し、さらなる成長を願うこと」 です。
その気持よりも写真撮影を優先することは御神前で行うことではないですね。

お子さんの成長を感謝し、さらなる成長をお守り頂くためにも、「李下に冠を正さず」 「カメラのレンズにはキャップを、そして電源は切りに」 をお願いいたします。



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