2018年06月14日

RADWIMPS と ゆず

先日、神道青年地区連絡協議会定例総会に出席してきました。
(あっ、正しくは神道青年近畿地区連絡協議会定例総会です。)

この会は、近畿地区2府4県の青年神職(概ね40歳以下)が集まって結成されている会で、年に数回の集まりがあります。
私は既に卒業していますが、長年近畿地区の役員に名を連ねていたので現在参与という肩書でご案内を戴いています。

さて、この会の冒頭、兵庫県神社庁泉庁長からご挨拶を頂きました。
その中で、RADWIMPS の HINOMAEU と ゆず の ガイコクジンノトモダチ の2曲の歌詞について紹介がありました。
ゆずの ガイコクジンノトモダチ は知っていましたが、RADWIMPSは、映画 「君の名は・・・」 の主題歌等に使われたバンドというだけで、この曲は知りませんでした。

そして、その翌日に次のニュースを目にします。

『日の丸や「御国御霊」は全て侵略戦争の旗や言葉』
RADWIMPSの『HINOMARU』に抗議し、廃盤と2度と歌わない事を求めるライブ会場前行動呼びかけ
https://snjpn.net/archives/54903


この記事によると、例のツイートは6月8日21:00とありますが、泉庁長がこの曲を聞いたのは遅くとも6月7日のことですから、この呼びかけなどで話題になって知ったものではありません。
そもそも、随分と若い曲をお聞きになるのだなぁと感心したものです。

さて話がそれましたが、こういったネガティブキャンペーンを売っている一方、実際にこれらの曲の評価はどうなっているのか気にしてみました。
といっても、一個人が街頭インタビューやアンケートを取るのもどうかと思いますし、そもそも東京や大阪などの都会でやらないとその意味は薄いように感じますので、違う方法をとりました。
今は、店舗でCDなどを購入するよりも圧倒的にインターネットでダウンロードする方式が主流ですので、一体ネットでのダウンロード数がどんな状況なのかを見れば、ある程度は曲の評価が見えるだろうと考えたのです。
その結果は次のとおりです。
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2018年03月28日

「譲位」と「退位」

以前、このブログでは「譲位」と「生前退位」について取り上げました。
http://itakiso.ikora.tv/e1240321.html

都合、何度か御代替わりについても記してきました。
余談ですが、先般とあるアナウンサーが 「御代替わり」 を 「おん、だいがわり」 と読んでいました。これって「みよがわり」のはずなんですが・・・。

さて、御代替わりまであと1年余りとなり、関連の報道も増えてきました。
当初は「生前退位」などという言葉も用いられており、私は非常に不快に感じましたが、さすがに ”生前” は消え、「退位」という表現に落ち着いたようです。
http://itakiso.ikora.tv/e1240321.html

一方で、陛下が位を退くことについては「譲位」という言葉もあり、「退位」と「譲位」についていろいろと議論があります。
政府は「譲位」ではなく「退位」という言葉を用いていますが、それはなぜなのか、腑に落ちる記事があったので以下に転載します。

大祓の時に「諸々聞食せと宣る」のあとに諸員が「オー」と唱へるのを「称唯」と書いて「イショウ」と読む。漢字の順番通りなら「ショウイ」と読むのは、「ショウイ」が「ジョウイ」と通ずるのを憚っての有職読みとされてゐる。古人は「譲位」でさへ憚ったのであり、まして「退位」の語を軽々しく使用するのは不敬なことに違ひない。


つまり、「譲位」を連想させる「ショウイ」という言葉すら使用することを避けたのだから、まして「退位」などを用いるのは不敬に違いないと昔の人達は思っていたのだろう、ということです。
そもそも「譲位」と「退位」は、共に位を退くことを意味しますが、そのニュアンスは少し異なります。
「譲位」は文字通り 位を ”譲り” 退くわけですが、「退位」は 位を退く ことを意味するだけです。
つまり意味的には 譲位<退位 であり、譲位は退位に含まれるわけです。
そして、その違いから、やがて「退位」には、天皇の意思と関係なく位を退かされる場合に用いられる、という理解になったとも言われます。

改めてまとめるならば、
 ・天皇が位を退く意思をもっての「退位」を「譲位」
 ・単純に天皇が位を退くことは一様に「退位」と言っていたが、上記のことから、意思を伴わない場合を「退位」
と使い分けるようになった、との解釈が一般的になっているようです。
そして、それ故に今回の御代替わりは「譲位」であって「退位」ではない、という論調が多数を占めているのでしょう。

さて、記事は次のように続けます。

 だが、その「退位」の語を、なぜ政府が使用し、特例法に明記し、これを国会で承認したのか。この点を踏まへて不敬かどうかを、情感だけでない、法制的課題としても理解する必要があるのではなからうか。
 政府は「譲位」の語を使用しなことに徹底してゐる。それは「譲位」といふと、それが天皇の意思ないしは発意によってなされることになるからとされる。それは憲法違反になるので、天皇が自らの意思で御位に就くことも、また退くこともできないとの法理を厳守しようとしてゐるのである。


以上 「神社新報」平成30年3月26日付 神奈川県瀬戸神社 佐野和史宮司の投稿記事より抜粋転載


日本国憲法の第4条には
天皇は、この憲法の定める國事に關する行爲のみを行ひ、國政に關する權能を有しない。

とあります。つまり憲法の規定では天皇がその位に就くことも、また退くことも、全て憲法及び法律によって決められるものであって、天皇御自らの意思であってはならないと解釈されるのです。
したがって、「譲位」の語を用いることは、天皇が御自らの意思により帝位を退くことを意味するために、政府は「退位」を用いることにこだわるのだという理解です。

日本国憲法第9条を厳密に解釈するならば、自衛隊が存在することは憲法違反となる訳ですが、現実にはそうならずに世の中は廻っています。
今回の御代替わりにおける「譲位」と「退位」の用語使いは、自衛隊の問題に比べれば些細なことのようにも見えますが、しかし我が国の根幹たる皇室のこと。それも天皇陛下の御事ですので、万が一もあってはならないことです。
残念ながら、日本国内、否日本人の中にも天皇陛下の御存在、皇室の御存在を快く思わない人が存在する御時世ですので、万難を廃するのは止むを得ないとも思います。

しかし、翻って、その様な不自由な憲法がそもそもおかしいのではないかと、改めて思うのです。
今上陛下は、初代神武天皇より数えて第125代目。初代神武天皇が即位されてから、今年は2678年が経ちます。
たかだか施行後100年にも満たない日本国憲法で規制できるものではなく、実態に合わせて憲法を制定すべきであろうと思います。

先日の自民党党大会で、安倍晋三総裁は憲法改正に強い決意表明をされました。
日本人による、日本国らしい憲法を1日も早く制定して欲しいと強く願うところです。  

2017年06月10日

一番多い占い相談・・・

どこで読んだのか曖昧ですが、多分新幹線の車中で、置いてあった雑誌に記されていたような・・・。
ある占い師さんのコラムか何かに、こんなことが書かれていました。
占い・相談で一番多いのは恋愛に関するもの。
氣になる人とお付き合いできるのか、相手はどう思っているのか、相性はどうなのか、それは二人のことなので本人と相手がわかれば占える。
だけど、氣になる相手やいまお付き合いしている相手と結婚できるかという相談になると、本人と相手だけでは占えず、その周りの環境(それぞれの両親や兄弟親族、仕事など諸々)の情報も必要となる。
そもそも、恋愛と結婚では占い方が違うのに、一緒に考えて相談される。
一般に恋愛の延長線上にそのまま結婚があるとの認識が今は当たり前になっているけど、そもそもそれが間違い。
というような主旨の内容でした。

確かに若かりし頃は「好きになった人と一緒に慣れれば良いなぁ」なんて漠然と思っていましたが、今は「好きという感情だけでは結婚できない」という状況は良くわかります。
結婚は ”結婚する二人だけの問題” と錯覚させる原因の1つに憲法の条文があります。
いや、私も含めて多くの人達は結婚に関して憲法など意識はしていないのですが・・・。
日本国憲法 第24条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
つまり、我が国では憲法の規定により、結婚する当人同士が合意すれば結婚できることになっています。
これが、結論としては 「好きな人同士で結婚できる」 というところに繋がるのだと思います。


さて、当人同士が好きという感情だけで一緒になった場合、当然それぞれの両親や兄弟などのことは特段考慮していませんから、自身の配偶者が亡くなった場合、その関係は一切合切そこで終わりという発想が出てくるのは自然なことでしょう。

それが、下記に転載した 「死後離婚」 ということになるのでしょうね。
下記は朝日新聞デジタル版の記事です。
縁を切って楽になりたい 「死後離婚」10年で1.5倍
沢木香織2017年6月5日11時51分

 配偶者が亡くなった後、配偶者の血族である「姻族」との関係を断ち切る、「死後離婚」が増えている。女性からの届け出が多いようだ。核家族化で負担が重くなりがちな、義父母の介護や墓の管理への不安が背景にあるとみられる。
 結婚してできた配偶者の血族との姻族関係は、離婚をすれば自動的に終わる。しかし夫か妻の一方が亡くなった場合、関係を終了するには役所へ「姻族関係終了届」を出す必要がある。これが「死後離婚」とよばれる。法務省によると、2015年度の届け出数は2783件。06年度からの10年で1・5倍に増えた。戸籍には、姻族関係終了の届け出日が記載され、受理した役所が受理証明書を発行してくれる。
 夫婦問題の相談に応じる「HaRuカウンセリングオフィス」(東京都港区)の高草木(たかくさぎ)陽光(はるみ)さんによると、死後離婚の相談は昨年になって急増し、30件ほど寄せられた。義父母の介護や夫のきょうだいとの関係で悩む女性が大半という。
 三重県の会社員女性(43)は、夫の病死から3年となった5月、姻族関係終了届を出した。
 きっかけは義父の死だ。
 義父母は夫が子どもの時に離婚し、夫は義母に育てられ、義父とは疎遠だった。昨年末に義父が亡くなると、一人っ子だった夫宛てに、警察から身元確認の問い合わせがきた。亡き夫に代わり、女性が相続放棄などの手続きをした。姻族に対して、重い責任を背負わされた気がした。
 近所に暮らす義母とはいまも良い関係で、買い物や病院の送り迎えを手伝う。2人の娘にとっては「大好きなおばあちゃん」だ。関係を変えるつもりはなく、届け出をしたと伝えるつもりもない。ただ、子育てや自身の両親の介護など、夫の死後に一気に重荷が増えた気がした。「縁を切るつもりはないけれど、せめて精神的な負担だけは軽くしておきたい」と話す。
 大阪市北区の「司法書士事務所ともえみ」の山口良里子(よりこ)・代表司法書士は、義理の姉との関係に悩む関西地方の60代の女性に、終了届の提案をした。
 夫の死後、夫の両親の墓や、空き家である実家の管理に悩んでいた。遠方のため管理が難しく、義姉に墓じまいと実家の片付けを相談した。だが「ひどいことをするわね」と批判されるだけだった。結局、1年かけて1人で実家を片付け、墓も自宅近くに移した。
 女性は「義姉と縁を切りたい」と思い詰めていた。山口さんは「『嫁の責任』を全うしようとまじめに考える人ほど、姻族との関係に悩んでしまう」と話す。
http://www.asahi.com/articles/ASK5B7XF6K5BPTIL03B.html?ref=wmailm_0609_11

勿論、死後離婚を一から十まで否定する氣はありません。
個別の状況においては そうせざるを得ないこともあるかもしれません。

家族のあり方、夫婦のあり方が変わろうとしているのでしょうか。変わるべきなのでしょうか。
難しいところです。
  

2016年11月11日

立憲主義者は何をしている?

先日より国のTOPに関するニュースが相次いで報道されています。

1つは先日決着がついたアメリカ合衆国の大統領選挙。
クリントン女史とトランプ氏の選挙戦の様子は頻繁に報道されていたので知らない人はいないと思います。
結果はご存知の通りトランプ氏の勝利となりました。
この結果を危惧するマスメディア報道を多く目にしますが、個人的にはクリントン女史よりもトランプ氏の方が日本にとってはまだマシな結果だったのではないかと思っています。

2つ目は隣国韓国の大統領の去就について。
これもマスメディアが大々的に報じているので知らない人はいないと思います。
しかし、私は果たしてアメリカの大統領選挙と同じ程度の時間を割いてまで報道する内容なのか疑問に思っています。

多くの方は、「先日からの国のTOPに関するニュース」と言われて思いつくのはこの2つでしょうか。

フィリピンのドゥテルテ大統領の発言問題を思いつく人もいるかもしれません。
先月中旬に逝去されたタイのプミポン国王を思う人もいるでしょう。


ところで、もう少し遡ると日本でもニュースがありましたね。
安倍首相ではありません。
天皇陛下の「譲位」に関するご発言です。(一部のマスメディアでは未だに「生前退位」などと称していますが・・・)

今上陛下の「譲位」のご意向や、所謂「生前退位」報道についてはこのブログで取り上げていますが、今日はまた違う視点で記しておきたいと思います。


現行の皇室典範には天皇陛下の退位に関する規定はありません。即ち天皇の位に一度即位すると生涯その位にとどまる終身在位とされています。
これに対して、天皇陛下は憲法に定められた国事行為を恙無く全うするためには然るべき段階において皇太子殿下にその御位を譲られる「譲位」の御意向を表明されました。このことは皆さんがご存知のとおりです。
皇室典範には天皇が「国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く」ことができると定められており、日本国憲法にも摂政を置いた場合には摂政は天皇の名で国事行為を行う(第5条)と定められています。
しかしながら、天皇陛下は摂政を置くのではなく、自らは「退位」をされ、次の世代に皇位を継承したいと表明されました。
これを受けて、安倍首相は有識者会議を設け、天皇陛下が御自言及された平成30年という年限を念頭に諸般の検討をはじめました。

ところで、日本国憲法第4条には「天皇は、この憲法に定める国事に関する行為のみを行なひ、国政に関する権能を有しない。」とあります。
したがって、「内閣が天皇の意思に従って法改正を行うことは、天皇が国政に関する権能を行使することになり、許されない」 というのがこれまでの通説でした。
ちなみに、政府は天皇陛下に対して摂政の設置を助言していますが、陛下はその助言を否定して「譲位」に言及されています。

政府は「特措法」という処置で対応しようと考えていると報じられていますが、これは憲法の定めを逸脱することになると思います。


安倍首相が我が国の国防において集団的自衛権の行使は限定的ながら可能であるとの見解を示した際に、野党は「立憲主義を守れ!」と糾弾しました。
立憲主義を唱える方々の考えの根底には、「憲法とは為政者を縛るためのもの」という概念があり、その憲法解釈を為政者が勝手に変えることはできないということです。
この件に関しては、国会の議場にメッセージボードを持ち込んでまで野党はアピールを行っていました。

しかしながら、今回の政府の動きに関して、あれだけ強く「立憲主義を守れ!」と叫んだ国会議員の誰ひとりとして「立憲主義を守れ!」とは言っていないように思います。
これはどういうことなんでしょうか。
集団的自衛権の行使容認という「憲法解釈の変更」という段階ではなく、天皇の御意向によって国政が動くという「憲法の規定を逸脱」した動きなのではないでしょうか?
前回以上に厳しく「立憲主義を守れ!」と糾弾すべき事態ではないのでしょうか??



最後に、そもそも私は 「憲法とは為政者を縛るもの」 とは考えておらず、「憲法とはその国の国体(国柄)を表し、国家の根幹をなす基本法」 であるべしと思っております。
したがって、「立憲主義を守れ!」と糾弾すべきだと主張しているのではなく、陛下の大御心を心に刻み然るべき方策を考えるのが我が国の本当のあり方だと考えるものであります。
  


2016年11月04日

なぜ 「譲位」 ではなく 「生前退位」 なのか。

本論に入る前に、まずもって三笠宮殿下の薨去に際し、謹んで哀悼の意を表します。
本日は東京の豊島岡墓地で斂葬の儀が執り行わました。


さて、このブログで過去に2度記してきた「生前退位」という表記についてですが、先月下旬に産経新聞社は今後 「譲位」 と表するという記事を発表しました。
「生前退位」報道に思う (平成28年7月14日)
皇后陛下のお言葉をもってしてもまだマスメディアは「生前退位」と用いるのか? (平成28年10月20日)

当該記事はこちら。例によって削除対策にコピペです。
産経新聞は今後、「生前退位」ではなく「譲位」とします
2016.10.28 06:47

 産経新聞は、天皇陛下が天皇の位を譲る意向を示されている問題を報じる際、今後は「生前退位」という言葉を使わず、原則として「譲位」とします。
 「生前退位」は、陛下のご意向が伝えられて以降、本紙を含めマスコミ各社で使われてきました。耳慣れない言葉でもあり、違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか。
 この言葉は、過去に国会での質問で使われている例があり(昭和59年、参議院内閣委員会)、いわゆる「造語」ではありません。
 「生前退位」が用語として広まったのは、次のような理由があると思います。
 まず「生前」が付くことで、すぐに陛下が天皇の地位を譲られるわけではないのが一目で分かること。さらに、現在は皇位継承が「天皇が崩じたとき」のみに限られていることを浮き彫りにした面もあります。
 しかし「生前」という言葉は、20日、皇后さまがお誕生日にあたり「大きな衝撃をうけた」と文書で述べられたように、「生前の姿」などと「死後」や「死」とセットで用いられることが多いのも確かです。
 現在、皇室は皇位継承者たる皇太子さまがおられ、陛下も「譲位」の言葉を使い、決意を関係者に伝えられたと報じられています。有識者会議での議論も本格的に始まり、「生前退位」という用語を使わなくても、十分にその意味するところが分かる環境になったといえます。
 「生前退位」は過渡的な役割を終え、「譲位」こそ、今後の説明に適した言葉だと考えます。(校閲部長 時田昌)

どうやら「生前退位」という用語は既に昭和59年には登場していたので「造語」ではない、そして「譲位」よりも「生前退位」の方が伝わるだろうと判断した、ということのようですが・・・。

しかし「生前退位」という用語が果たして一般的であったかというと全くそのようには感じられず、その結果が 「『生前退位』という造語」 と言われるようになったのではないでしょうか。

そして、私が冒頭に三笠宮殿下の斂葬の儀に関して表記したのは、勿論殿下の薨去を悼むからではありますが、ここにマスメディアの表記に対する疑問も呈するためでもありました。

「譲位」の単語は耳慣れないとして「生前退位」と置き換えながら(置き換えの是非についてはここでは不問)、「斂葬の儀」については ”一般の葬儀にあたる” という注釈をつける場合もありながらもそのまま表記しています。
また、一部のマスメディアでは「逝去」などとも記されたようですが、正しく「薨去」を用いていた新聞等も目にしました。

「斂葬」も「薨去」もそれほど一般的な用語ではないと思われますが、時には注釈を用いて表現されているのです。
なぜ「譲位」に関してはそれが当てはめられなかったのでしょうか?

私にとっては大きな謎です。
  

2016年10月20日

皇后陛下のお言葉をもってしてもまだマスメディアは「生前退位」と用いるのか?

以前、拙ブログで 「生前退位」 報道について記したことがあります。
http://itakiso.ikora.tv/e1218552.html

そこでも 「生前退位」 という日本語は奇妙だと触れましたが、今日のYahoo!ニュース では 「生前退位」 という用語に皇后陛下が不快感を示されたとの記事がありました。

例によって全文転載します。

<皇室>皇后さま82歳 「生前退位」に衝撃
毎日新聞 10月20日(木)5時0分配信

 皇后さまは20日、82歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、宮内記者会からの質問に文書で回答し、天皇陛下が生前退位の意向がにじむおことばを公表されたことについて「皇太子や秋篠宮ともよく御相談の上でなされ、謹んで承りました」と述べた。一方、新聞報道への感想として「『生前退位』という大きな活字を見た時の衝撃は大きなものでした」と振り返った。

 ◇おことば「皇太子や秋篠宮と御相談」
 皇后さまは、退位に関する陛下のお気持ちを以前から理解していたとされる。今回の回答の中で、8月8日に公表された陛下のおことばについて「現在のお気持ちのにじむ内容のお話が伝えられました」との受け止めを示した。「皇室の重大な決断が行われる場合、これに関わられるのは皇位の継承に連なる方々」と述べ、お気持ちの表明までに陛下が皇太子さまや秋篠宮さまと相談されていたことを強調した。
 また皇后さまは「新聞の1面に『生前退位』という大きな活字を見た時」の感想として「衝撃は大きなものでした」と振り返った。続けて「歴史の書物の中でもこうした表現に接したことがなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません」と「衝撃」の理由に触れ、「私の感じ過ぎであったかもしれません」と結んだ。
 陛下が生前退位の意向を宮内庁関係者に示していることは、新聞各紙が7月14日の朝刊で報じた。宮内庁関係者は皇后さまの感想について「『生前』という言葉に接して、その裏にある『死』を連想されたのではないか」と話している。
【高島博之】


勿論皇后陛下は明確に「不快」とは仰られていませんが、「一瞬驚きと共に痛みを覚えた」という表現は「不快感の表明」以外の何者でもないと感じました。

関連記事として 「生前退位、歴史は?」 などというのがありましたが、結論から言うならば 過去に 「生前退位」 などは存在しません。
あくまで 「譲位」 ですね。

陛下は平成30年度目安に退位をされたいとの意向を示され、そこへ向けて政府は準備を始めたとの報道もありました。
御代替わりの主たる行事としては即位の礼と大嘗祭があります。
ちなみに、律令の規定では7月までに天皇が退位された場合はその年の11月に大嘗祭を行うが、8月以降の場合は翌年に大嘗祭を行うとあります。
また、平成の御代の即位の礼はご歴代の中で唯一東京で行われたものですが、これは 「例外」 という位置づけだったように記憶しています。
今年は平成28年。もし、平成30年に本当に陛下が退位なされるのならば、あまり時間があるとは言えません。
上記のようなことなどもしっかりと議論して、世界最長国家たる歴史と重みと威厳を持って、事にあたる準備を進めて欲しいと思います。  

2016年07月14日

「生前退位」報道に思う

昨日のNHKニュースでは驚くべき報道がなされました。
天皇陛下が退位の意向を示されているというのです。
このニュースについては、新聞各紙やテレビ各局も報道していますから、ご存じない方はいないと思います。

さて、この報道について私は2つの疑問を持っています。
その件について記しておきたいと思います。


まず第1は、このニュースがNHKが独自に掴んだ、いわゆるスクープだったことです。
NHKと言うのはご存知の通り、国民から受信料を受けて放送している、公共放送です。
人によっては国営放送とも呼ぶくらい、公共性の極めて高い放送局です。
そして、民法各社と異なり、それほど視聴率を稼ぐことに躍起にならなくても良い放送局のはずです。
それが、なぜ宮内庁という公式機関からの発表も経ずに、スクープとして報道したのかという点です。

ことの真相は定かではありませんが、このスクープによって面子を潰された宮内庁は、躍起になって否定しているという話も流れています。
いずれにせよ、宮内庁としては全く予想外の報道だったということでしょう。

また、昨日は東京都知事選挙の公示前日であり、与野党それぞれが擁立する候補についてもいろいろと動静があり、情報が様々に飛び交っている中でした。
こういった状況の中、この様なスクープ報道をなぜ公共放送たるNHKが行ったのか、というのが私の感じる第1の疑問です。


第2は 「生前退位」 という言葉です。
ニュースでは、
天皇陛下が生前に皇位を退く生前退位の意向をお示しになられた

というような説明がなされていました。

そもそも、天皇が皇位を退くことについては 「譲位」 という言葉があり、この言葉は少なくとも私たちの年代は中学校の歴史の授業で習いました。
「譲位」という用語に重きは置かれませんでしたが、皇位を退いた天皇が 「上皇」 となり 仏門に入ると 「法皇」 となり、政(まつりごと)を行ったと習いました。いわゆる 「院制」 ですね。

義務教育課程でも習う 「譲位」 という言葉が、テレビで使用するのには難しい用語だから避けたということはないでしょう。
なぜ 「生前退位」 などという、これまでに聞き慣れない奇妙な日本語を持ちだしたのでしょうか?

某民放局では、今上陛下が皇位を退かれて、皇太子殿下が皇位に就かれた場合、今上陛下や皇后陛下をどのようにお呼びするのかという解説をしていました。
皇位を退かれた天皇は 太上天皇(だじょうてんのう)、太上天皇の皇后は 皇太后(こうたいごう) といいますと説明をしていました。
皇太后については、昭和天皇が崩御され今上陛下が即位された際にいらっしゃいましたから、記憶をされている方も多いかと思います。

また、現在の皇太子殿下が即位された場合、皇位継承第1位となるのは秋篠宮殿下であり、皇太弟(こうたいてい)となると言った説明もされていたようです。(集中して番組を見ていたのではないので、立太子などについてちゃんと説明があったのか不明ですが・・・)

いずれにしても、太上天皇や皇太孫などという用語がテレビで使えるのであれば 「譲位」 が使えない理由はないでしょう。
残念なことに、NHKが 「生前退位」 などと報道したため、他メディアも倣って軒並み 「生前退位」 という表現を用いています。

少し前までNHKアナウンサーは日本語には結構厳しかった印象がありますし、事実そうであったとも聞いています。
なぜ、こんな奇妙な表現を行って報道しているのか大いに疑問です。


以上、
 1,なぜNHKがこのタイミングで皇室についてスクープ報道を行ったのか
 2,なぜ 「譲位」 という日本語があるにも関わらず 「生前退位」 などという奇妙な日本語を造り出して報道しているのか
この2つが、この報道を見て感じた私の感想です。  


2016年03月19日

学校教科書

3月も後半になりました。あちらこちらで卒業式が行われる時期です。
そして、もう少しすると入学式シーズンですね。春は別れと出会いのたくさんある季節。
そして新しい門出に心躍らせている人も多いのではないでしょうか。

さて、入学にしろ進級にしろ、新学期が始まると教科書が新しくなります。
特に義務教育の小学校・中学校では教科書が支給されます。
この教科書、児童・生徒には無償で提供されますが、出版元が無償で提供しているわけではありません。
ちゃんとビジネスとして動いているわけです。

しかも、少なくとも学校単位で教科書は採択されますから、1校決まればその取引額は大きなものになりますね。
1つの学校内で、更にいうならば1つのクラス内でバラバラの教科書を用いていては授業が成り立ちませんから当たり前のことです。
これが義務教育過程の公立校になるとどうなのでしょうか。教育委員会の採択で一括決定となるようです。

さて、そんな教科書の採択について1つの疑惑が上がっています。
教科書採択に際して汚職があったというものです。どうやら特定地域に限られた局地的事件ではなく、広範囲で同様のことが行われているようです。

以下のページに、この問題について取り上げてあります。例によって例のごとく、念のため転載しておきます。
http://minakiclub.blog.fc2.com/

教科書採択大型汚職問題について

昨年秋(平成27年:引用者注)、内部通報により株式会社三省堂の違法な営業活動が発覚し新聞社が報道した。
当初は三省堂一社の違法販売と考えられていたが、文科省が各教科書会社に対し同様の違法行為がなされていないかと念の為に報告を求めたところ、12社の教科書会社で大規模な違法販売、贈収賄行為が行われていたことが露見した。
贈収賄の対象教員数は4000名を超えており、空前かつ大規模な構造汚職問題であることが判明した。
これらの行為は明らかに贈収賄行為であり、汚職であり刑事事件である。
独禁法の第二条第九項が禁止する「不公正な取引方法」に該当するものでもある。
そして一般社団法人教科書協会が自ら定めた「教科書宣伝行動基準」は以下のように定められている。
教科書採択は「極めて重要な社会的、公共的使命を認識し、法令順守を誓い」「宣伝行動においては、教科書という公共性にかんがみ、公正かつ自由な宣伝行為でなければならない。」
「教科書選定のプロセスには、透明性、公正性が求められており、従って教科書宣伝は法令順守だけでなく、倫理的側面にも十分配慮して行うことにより、社会の信頼を得なければならない。」に対して大きく違反するものである。
また行動基準の中では「選択関係者に対して、金銭、物品、饗応、労務の提供その他これらに類似する経済上の利益を供与してはならない」と厳しく規定がされている。
教科書12社はこういった社会的なポーズの裏で長期間にわたりしかも空前の大規模で違法行為を繰り返してきたのである。悪質そのものといえよう。(後略)


この問題は、単純にビジネスとしての利益享受を糾弾するだけのことではありません。

しかも多くの教科書は長期にわたり事実に基づかない虚偽や反日偏向の記述された教科書を発行し、純真な児童・生徒を歪め裏切り続けていたのである。
(引用元同)
こういう疑惑の中、採択された教科書はその記載内容に事実関係の確認を要するものや、反日的とも取れる内容が記されていたりします。
勿論、これらも教科書ですから検定は通っているわけではありますが・・・。


さて、この様な疑惑が全国的に起こっている中、教科書の採択理由について非公開の学校が数校あるとのニュースが入りました。

「学び舎」教科書 慰安婦記述30校超採択 灘中など理由非公表
産経新聞 3月19日(土)7時55分配信

4月から全国の中学校で使用される歴史教科書のうち唯一、慰安婦に関する記述を採用した「学び舎」(東京)の教科書が、筑波大付属駒場中や灘中など最難関校と呼ばれる学校を含め、少なくとも30以上の国立、私立中で採択されていたことが18日、分かった。国立と私立中では採択権が教育委員会ではなく学校長にあり、関係法令に基づき採択理由を公表する努力義務もあるが、取材した学校の大半が採択理由を非公表とした。
 同社の歴史教科書は平成16年度検定以降、中学校教科書で各社が一切採用しなかった慰安婦に言及し河野談話も取り上げた。当初、申請した教科書では強制連行を強くにじませながら大きく取り上げたが、不合格とされた後、再申請の際に大幅に修正した。
 南京事件では中国人の証言を採用するなど手厚く記述する一方、北朝鮮による日本人拉致事件では各社が特集などで記述を盛り込む中、年表で「北朝鮮から拉致事件被害者の一部が帰国する」とだけ記述している。
 文部科学省によると、同社の歴史教科書の採択数は全国で約5700冊(占有率0・5%)。業界では「参入組にとって障壁が特に高い教科書業界では異例の部数」(教科書関係者)と受け止められ、「執筆者らの人的ネットワークで採択が広がった」(業界関係者)との見方もある。
 採択したのは少なくとも国立5校、私立30校以上。国立は筑波大付属駒場中のほか、東京学芸大付属世田谷中▽同国際中等教育学校▽東大付属中等教育学校▽奈良教育大付属中。私立では灘中、麻布中など。
 採択理由について、奈良教育大付属中の担当者は、「物語風に書かれ、内容も詳しい。慰安婦の記述などで話題になったが、検定を通っており、許容される内容だと考える」としている。
 一方、義務教育の教科書を配布するための教科書無償措置法では、採択理由を公表する努力義務が市町村教委や都道府県教委と同様に国立中や私立中の校長にもあるが、奈良教育大付属中以外は「取材を受けない」などと回答。
 私立では灘中が「検定を通っている教科書であり、理由を公表する必要はないと考えている」。麻布中は「回答を控える」とした上で「慰安婦の記述で選んだということは全くない」とした。
 学び舎は産経新聞の取材に対し、「難関校を対象とした編集方針はまったくありません」とし、教科書の執筆者と採択校との関係についても「執筆者の個人情報に関することはお答えできません」と回答した。
 執筆者の中には、安保法制の廃止を求める声明を出すなどしている「歴史教育者協議会」(東京)に所属する元教師らもいるとされる。


このニュースのポイントは 「関係法令に基づき採択理由を公表する努力義務もある」 というところだと思います。
勿論 ”義務” ではなくて ”努力義務” ですから、非公表ではダメではないのですが、少なくともここに挙げられた学校の内、私立以外の学校はこの努力義務を遵守すべきと、私は考えます。

冒頭に挙げたような疑惑が生まれている渦中ですから、非公表だとその疑惑も持たれるかも知れないと、危惧するのです。  
タグ :教科書


2016年02月14日

国旗の制定(その1)

2月も中旬になりました。今年も1ヶ月半が過ぎたのですね。なんだか月日の流れるのが大変早くなった気がします。
もう少しすると卒業式シーズンです。
卒業式や入学式では、学習指導要領の趣旨を踏まえて、児童生徒に我が国の国旗と国歌の意義を理解し尊重する態度を育てる目的で、国旗掲揚及び国歌斉唱を行われています。
実際には行っていない学校があったり、教員が国歌斉唱を行わず着席したままだったり、児童生徒に個人の自由にして良いという教員がいたりと、いろいろあるようですが、今回はそれには触れません。

具体的に学習指導要領のどこにそんなことが書かれているのかという点についてはこちらのリンクをご覧下さい。
学校における国旗及び国家の取り扱いについて(広島県教育委員会ホームページ)
それぞれ(小学校・中学校・高等学校)いずれも特別活動のところに入学式・卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱を行うように記されています。

ところで、日本の国旗は「日章旗」です。この旗は「日の丸」と呼ばれることもありますね。
今更画像など掲載しなくとも、みなさんが知っているとおりです。
そして、日本の国歌は「君が代」です。これも皆さんが知っているとおりです。
時々「君が代」が歌えないという方がいらっしゃるのですが、是非歌えるようになってください。
ちなみに、以前に 「国歌 君が代 の成立過程」 という記事を書いていますので、興味のある方は以下のリンクを御覧ください。
http://itakiso.ikora.tv/e758275.html

今回は 国旗 について記してみます。
日章旗 を 国旗 と定めたのはいつのことでしょうか。
法令上、日章旗を国旗と定めたのは 平成11年(1999)の 「国旗及び国歌に関する法律」(俗に国旗国歌法と呼ばれます)です。
この法令は極めて簡素ですので、ここに全条文を掲載します。

国旗及び国歌に関する法律(平成十一年八月十三日法律第百二十七号)

(国旗)
第一条 国旗は、日章旗とする。
 2 日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。

(国歌)
第二条 国歌は、君が代とする。
 2 君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。


附則

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。

(商船規則の廃止)
2 商船規則(明治三年太政官布告第五十七号)は、廃止する。

(日章旗の制式の特例)
3 日章旗の制式については、当分の間、別記第一の規定にかかわらず、寸法の割合について縦を横の十分の七とし、かつ、日章の中心の位置について旗の中心から旗竿側に横の長さの百分の一偏した位置とすることができる。



条文は以上の2条、そして3条の附則に加えて、別記として、日章旗の制式と君が代の歌詞及び譜面が記されています。


ところで、以前 某アナウンサーが司会を務める番組で 日本の国旗はいつからあるのかというクイズをやっていました。
その回答が 「平成11年」 でした。これにはびっくりしましたね。
そして番組に出ていたタレントさんも一様に 「へぇ~」 と・・・。
確かに法令上明記されたのは平成11年ですが、それ以前から日章旗は国旗、君が代は国家として認識されていました。
そうでないなら、東京オリンピック(昭和39年開催の方です)などで数多くの日本人選手が表彰台に上がりましたが、その時に上がっていた旗、そして演奏されていた曲は一体何だったのでしょうか?
挙げられていた旗は日章旗、演奏されていた曲は君が代ですが、これらは各選手がそろって好きな旗と好きな曲を選んだ結果なのでしょうか。
国旗であり国歌であるから掲揚され演奏されたはずなのですが・・・。不思議な事をいう人がいたものです。

そして、平成11年以前から日本の法令において 「国旗」 という文言を見ることができます。
例えば明治32年に定められた船舶法の第2条には「日本船舶ニ非サレハ日本ノ国旗ヲ掲クルコトヲ得ス」を始めとして、幾つかの条文で目にすることができます。
戦後、GHQによる占領中に定められた海上保安庁法(昭和23年)の第83条第1項には「海上保安庁の船舶は、番号及び他の船舶と明らかに識別し得るような標識を附し、国旗及び海上保安庁の旗を掲げなければならない。」とあります。
独立を回復して以降も、自衛隊法(昭和29年)第102条第1項には「自衛艦その他の自衛隊の使用する船舶は、長官の定めるところにより、国旗及び第四条第一項の規定により交付された自衛艦旗その他の旗を掲げなければならない。」とあり、また商標法(昭和34年)第4条第1項第1号「国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標」とあります。
これらの法令に国旗と記されている訳ですから、それまでは国旗が存在しなかったというのはおかしなことです。

まぁ、番組ではちょっと言葉足らずだったということにしておきましょう。
いや、そうしないとおかしいですし・・・。

日の丸が国旗として使用されるようになった経緯まで辿りつけていませんが、文章が長くなったので一旦ここまでにしておきます。
日の丸(日章旗)が国旗として認識されるようになった経緯については次回記します。  
タグ :国旗日の丸


2015年12月17日

誤った参拝作法

ここ数年、神社仏閣に対する関心が高くなっているのか、神社参拝寺院参詣の手順等について記した出版やテレビなどの特集を盛んに目にします。
それ自体はとても良いことではありますが、時折「えっ?」と思うような説明もあり苦笑してしまいます。
そして中には「それは絶対に間違っている」という説明もあったりすのですが・・・。


最近、twitter でこんなつぶやきが話題になったそうです。

@nemuribi
「正月前にこれだけは言わせて…!毎年変なガイドさんが言ってらっしゃるけど、投げた御賽銭が注連縄に刺さると良いとか賽銭箱の前の神職まで届けば願いが叶うとか、ないです!御賽銭は賽銭箱へ。当たると涙出るレベルで痛いです。特に、烏帽子に当てると良いって言った奴、お前だけは許さん。」

「そんな馬鹿な!?」と思われた方もあるかもしれませんが、これって冗談ではないんです。
私も学生時代、神務実習先の神社でこの手の注意を受けました。
お正月はお賽銭がとても多いので、特に元日は日中にも何度か集纏しに行くのですが、その際に 「決して参拝者の方を向いて集めてはいけない」 と担当神職より注意がありました。
その理由がまさにこれで、「お賽銭が神職めがけて飛んでくるから気を付けて欲しい。特に眼鏡を掛けている人は、万が一の場合大変危険だから外すように。」 とのことでした。

誰が言い始めたのか知りませんが、とんでもない話です。

そもそも神様は清浄を好むとされておりますが、血というのも穢れの1つとされています。
平安時代の法律書の1種ともいえる 『延喜式』 の中には、忌詞(いみことば)というのが記されています。
神前で口にするのも憚られる言葉を、別の表現に言い換える訳ですが、その中に ”血” が入っており ”汗” と言い換えたようです。
神職に賽銭をあてて流血にでもなろうことなら、「良い」どころか「非常に悪い」ことです。

http://news.livedoor.com/article/detail/10961045/
神職に御賽銭ぶつけさせるガイドに涙の訴え「お前だけは許さん」
2015年12月16日 16時9分 トピックニュース
11日、あるTwitterユーザーが、神社に来る一部ガイドの間違った説明について怒りを露わにし、話題を集めている。
プロフィールで「神職」に就いていると書いているこのユーザーは、「正月前にこれだけは言わせて…!」と、初詣の参拝客に呼びかけた。参拝客を連れてくるガイドのうち、「賽銭(さいせん)が注連縄(しめなわ)に刺さると良い」「賽銭箱の神職の前まで届くと願いが叶う」と説明する人物がいるが、それは間違いだと断言。改めて、「賽銭は賽銭箱へ」と案内した。そして、投げられた賽銭が「当たると涙が出る」ほど痛いと被害を訴えた。
このユーザーは、ガイドの中でも特に「烏帽子(えぼし)に当てると良い」と言っていた人物だけは「許さん」と怒りを露わにしている。烏帽子とは、神職がかぶっている袋のような帽子のことだ。
このツイートは、16日16時00分の時点で1万6000人以上にリツイートされ、4600件以上の「いいね」を集めるなど、ネット上で話題となっている。


そして、同様に注連縄や鳥居、社殿などに賽銭を埋め込むような行為も困ります。
あとは、ここでは触れられていませんが、「鳥居の笠木や抜き(いわゆる鳥居の横木)に石を投げて乗ると願い事が叶う」 などというのも俗説です。(中にはそういう信仰のある場所もあるかもしれませんが、基本的には誤りです)

http://togetter.com/li/913177
お賽銭問題、何度かニュースにもなっているのでいい加減「物を壊す・人を怪我させる」可能性のある行為について「して・させてはならない」との認識が広まって欲しいなと思う次第。写真は厳島神社の鳥居。小銭を差し込まれたところから柱が傷みます。


もう半月もすると新年です。
多くの方が初詣に行かれると思いますが、くれぐれもこれらの行為をすることの無いようにお願い致します。