2016年04月22日

犯人が2人??

下に2つの新聞記事の切り抜きを貼りました。

記事をよく読むと、共に昨年6月22日に東久留米市に住む80歳の女性から現金1,000万円を騙しとった事件であることが判ります。
しかし、容疑者の名前が 上の新聞では 「自称会役員児島正浩(37)」 となっており、下の新聞では 「自称会社役員李正浩(37)」 となっています。

容疑者の氏名が違っているのがお解りでしょうか。上の新聞も 「韓国籍の」 と記されていますから、両者が同じ人物を指していることが判りますが、「韓国籍の」 という文字がなければ果たしてどうなっているでしょうか。
そして、この記事を読んだ人たちの印象はどうなのでしょうか。

「通名」 と言って、外国籍の人が日本国内で 日本名 を名乗る人たちがいます。
これは 昭和15年に施行された 創氏改名制度 に由来するとされています。
実際には、この制度が施行されるより前から 日本名 を名乗る外国人はいたようですが、施行以後は 「法的な本名」 として名乗ることになります。この制度は昭和21年の 「朝鮮姓名復旧令」 により無効となり法的根拠は失っていますが、現実問題としては一挙に無効とすること出来ず、運用上は有効となっていました。
しかし平成24年に法制度が見直され、通名が併記された外国人登録証明書は廃止となりました。但し、従来保持している外国人登録証明書に通名が記載されている場合は引き継がれることも多いようです。この場合、通名のみの表記は行われず、必ず本名が記載されるようになりました。

創氏改名については、以前にこのブログでも 皇學館大學の新田教授の文章を紹介していますので、ご参照下さい。
(拙ブログ記事 「強制連行と創氏改名」)


A新聞


S新聞

ちなみに、通名しようとその変更が容易にできることがどれほど危険なことなのかについてはこちらのリンクをご覧ください。

  


2016年04月18日

義援金 と 義捐金

まず、熊本地震で被災された方々をお見舞い申し上げます。
また、お亡くなりになられた方には心から哀悼の意を表すとともに、ご遺族の皆様には心からお悔やみ申し上げます。

さて、地震の直後から様々な形で被災地を支援しようという動きが起こっています。
阪神淡路大震災以後、こういった動きが顕著になっていると強く感じるところです。

ただ、実際には良かれと思って行っている支援活動でも、現場ではありがたくないケースもあるようなので注意が必要ですね。


救援物資も、現場で必要とされるもの、既にたくさん集まって飽和しているもの、こういった情報を適切に収集して送らなくてはならないと思います。
また、物資を届ける手段や、届ける先についてもよくよく検討しないといけません。自力で届けに行くことで却って迷惑になったりするケースもあると聞きます。
こういったことも、過去の大きな災害に際する支援活動を通じてノウハウが蓄積されているように思います。そしてそういった注意喚起をしているサイトなどもあるので、詳しくはそちらにお任せしたいと思います。

いろいろな支援方法はあると思いますが、一番融通がきくのはやっぱりお金の支援ではないでしょうか。
勿論、被災された方々に直接お金を渡しても困ることもいろいろあるでしょうが、そうではなくて集まったお金を適切に運用してくれるところに募金するというのは有効な手段の一つだと思います。
集まったお金を必要な物資などに替える人、それらを届ける人、様々な人の手助けが必要ではありますが・・・。

こういった募金先にもいろいろと注意が必要なようで、「熊本地震への募金」と謳っているからといって安心してはいけないようです。
集まった募金が全額被災地支援に活用されないような募金を募っている団体もあるようです。
これらも、ネットでいろいろ情報が流れているようなので、気になる人は調べてみてください。


前振りが長くなりましたが、この投稿で書きたかったのは、こういった募金を ギエンキン と呼んだりするのですが、その表記についてです。
正しくは 義捐金 と書くのですが、義援金の表記も多く目にします。
「捐」という文字には「すてる」という意味があり、「義のためにすてるお金」というのが ギエンキン の本来の意味です。
ちなみに、明治時代につくられた和製漢語だとか。
これが 義援金 と表記されるようになるのは戦後のことです。

戦後、占領軍は日本人に漢字の使用を制限します。一節には、最終的には全ての漢字の使用を中止させ、できれば仮名文字の使用も中止させてアルファベットを用いたローマ字表記を使用させようと計画していたとも言います。
しかし、急遽これらを実施すると大きく混乱をきたすため「当用漢字」という漢字を定めます。当用漢字の意味は「分の間いても良い漢字」です。
尤も、脱漢字文化というのは戦後に始まったことではなく、明治期にも論争は起こっていたようですが、これらについては改めて記したいと思います。
いずれにしても、当用漢字の中に「捐」が含まれなかったために、「援」に置き換えたということです。こういった事例は他にも非常に沢山あります。それらについても、後日記述したいと思います。

何もこんな震災でまだ大変な時期に記す内容ではないとも思いますが、「義援金」という表記が気になるので記しました。
  

2016年04月12日

神社 ≠ Shrine

昨年の歳旦奉仕に来ていた巫女の中に、将来外交官になりたいという高校生がおり、いろいろ話をする中で外国人向けに貼ってある簡単な案内文を見て 「Itakiso Jinja Shrine 」って書いてありますけど 「Itakiso Shrine」 でいいんじゃないですか、と言われました。
そこで、Shrine という英単語はそのまま神社を表しているわけではない、そもそも英語圏には神社が存在していなかったから神社を表す単語は存在しておらず、彼らが理解するのに ”神社” に一番近い存在を表す単語として Shrine が採用された、というような話をしました。

この度、国土交通省国土地理院では、増加する外国人旅行者に向けての地図記号や地名等の英語表記についてのガイドラインを作成し、この3月に公表されました。
http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa60019.html

ここでは、外国人向け地図記号15種類と、地名等の英語表記についての変換ルールが記されています。
【外国人向け地図記号】http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa40072.html
【地名等の英語表記規定】http://www.gsi.go.jp/common/000138865.pdf

地名等についてはヘボン式ローマ字表記とし、地形や種別を表す部分については「追加方式」と「置換方式」を使い分けることになりました。
追加方式というのは、日本語の名称の後ろに英語を追加する方式で、富士山であれば、「Fuji-san Mt.」となります。
置換方式というのは、地形や種別を表す部分を対応する英語に変換する方式で、富士山であれば、「Mt. Fuji」となります。
ちなみに、単体の自然地名(山、川、湖、岬など)は原則置換方式を採用しますが、置換方式では日本人が理解できない場合は追加方式を採用することになっています。

具体的に言うと、富士山は Mt. Fuji と表記(置換方式)で行いますが、大山(だいせん)を置換方式で、Mt. Dai と表記した場合、外国人が日本人に大山に行きたいと訪ねても伝わらないことが想定されるからです。
多摩川や隅田川は、Tama River や Sumida River で通じますが、荒川は Ara River では日本人はわかりにくく、Arakawa River とした方が適切だということです。
これらについては、上記にリンクを貼った 地名等の英語表記規定 に細かく記されていますが、わかりやすくしたフローチャートが国土地理院からあわせて公表されています。【フローチャート

さて、前置きが長くなりましたが、この英語表記規定の第27条に
(神社仏閣名の英語表記)
 第27条 神社仏閣名の英語表記は、追加方式によるものとする。「神社」は Shrine と、「仏閣」は Templeと表記するものとする。
と定められており、即ち 伊太祁曽神社 は Itakiso Shrine ではなく、Itakiso-jinja Shrine と表記することになります。
これは、ある意味斯界が 「神社 ≠ Shrine」 という情報発信を地道ながら行ってきた成果ではないかと思うのです。
神社本庁が発行する英文解説書によると、
本来shrineとは成人の遺骨や遺物を安置した聖堂や廟のことを指す
と記されており、厳密には神社とは異なる存在であることが判ります。特に戦歿者を祀る靖國神社や護國神社の場合、Yasukuni Shrine や Gokoku Shrine と表記してしまうと、外国人に誤解を与える可能性が非常に高いと考えられています。
神社界としては、最終的に Jinja という単語で理解してもらえるようになるのが一番良いと考えるわけですが・・・。

また、置換方式では日本人が混乱する場合もあると考えられます。
○○神社という名称の場合は置換方式でも問題がないかもしれませんが、神社の名称は必ずしも最後に「神社」とつくものだけではなく、「神宮」「宮」「大社」「社」などもあります。これらの該当部分を置換するとどうなるでしょうか。

 明治神宮 → (置換方式)Meiji Shrine  (追記方式)Meiji-jingu Shrine
 出雲大社 → (置換方式)Izumo Shrine  (追記方式)Izumo-taisha Shrine
 太宰府天満宮 → (置換方式)Dazaifu-tenman Shrine  (追記方式)Dazaifu-tenmangu Shrine

どうですか。まぁ、これくらいならわからなくもないかもしれませんね。
では、春日大社と春日神社ではどうでしょうか。
春日大社 → (置換方式)Kasuga Shrine  (追記方式)Kasuga-taisha Shrine
春日神社 → (置換方式)kasuga Shrine  (追記方式)kasuga-jinja Shrine
置換方式ではおなじになってしまいますが、追記方式では別の神社と判りますね。
同じような例はたくさんあると思います。神明神社と神明宮、八幡神社と八幡宮などなど。

このようにつらつら考えると、果たして神宮はどのような表記になるのでしょうか。
神宮というのは、一般に言う 「伊勢神宮」 です。
「伊勢神宮」 と一般には呼びますが、「神宮」 が正式な名称です。したがって、私たちが「神宮」と言えば伊勢を指すわけですが、一般の方にお話する際にはわかりやすいように 「伊勢の神宮」 と言ったり、また一般的に「伊勢神宮」と表現する場合もあります。

今回の国土地理院の取り決めは外国人観光者向けのものですから、 Ise-jingu Shrine で構いませんが、正式な名称を置換方式で表記していたならば Shrine となっていたことになりますね。
追記方式であれば、Jingu Shrine。こちらならまだ判りますが、流石に置換方式ではなんだかわからない場合も多いでしょう。

神道を置き換える英単語は存在しないので、Shinto と表現されますから、神社も Shrine ではなく Jinja と表記して通用する日が来れば良いと思うのですが、Jinja と Jingu と Gu などが同じという認識をしてもらうとなるとなかなか大変ですね。

(伊勢)神宮は Ise-jingu Jinja、出雲大社は Izumo-taisha Jinja、天満宮は Tenman-gu Jinja となってしまいます。
  

2016年04月04日

ベトナムで最も有名な日本人

東京都新宿区に花園神社という神社があります。
確か大通りに面していて、11月には酉の市で賑わう神社だったかと・・・。

その花園神社が毎月発行している社報にこんな一文が掲載されていました。

当社報で述べている千野境子女史(引用者注:産経新聞元論説委員長)が、ホーチミン市で会ったテレビ局のディレクターに「ベトナムで最も有名な日本人は誰ですか」と質問すると、「明治天皇」と答えられたという。やはり、ほとんどが植民地となったアセアンの人々にとって、日本がロシアに勝ったことで、植民地からの脱却がはかられるとの期待からくるのだろう。しかも、英雄ではなく天皇を挙げられたことは、今日の日本人より天皇を高く偲ばれているように思われる。オバマ大統領が天皇陛下の前で背中を直角に折り曲げていたのが印象深い。

ASEAN諸国と言ってすぐに国名が出てこない人も多いでしょうが、1967年の発足時にはインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、そして1999年にはカンボジア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオスを加えた10カ国体制となり、東南アジアのすべての国を含む組織となりました。そうです、ASEANもアジア諸国です。
日本のマスメディアはアジアというと、中共(中華人民共和国)と韓国を主として指して報じることが多いのですが・・・。

あとは、多くを語りません。