2015年06月26日

自由民主党にモノ申す(その3)

安保法案で報道批判続出 自民改憲派の勉強会


 安倍晋三首相に近い自民党の若手議員約40人が25日、憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」の初会合を党本部で開いた。安全保障関連法案に対する国民の理解が広がらない現状を踏まえ、報道機関を批判する意見が噴出した。講師として招いた作家の百田尚樹氏に助言を求める場面も目立った。
 出席者によると、百田氏は集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明した上で、政府の対応について「国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ」と指摘した。
 出席議員からは、安保法案を批判する報道に関し「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」との声が上がった。
 沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、百田氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。
 懇話会は木原稔青年局長が代表で、首相側近の加藤勝信官房副長官や萩生田光一・党総裁特別補佐も参加した。
 出席者の一連の発言について、自民党中堅は「自分たちの言動が国民からどのような目で見られるか理解していない。安保法案の審議にマイナスだ」と指摘。公明党幹部は「気に入らない報道を圧力でつぶそうとするのは情けない。言葉を尽くして理解を求めるのが基本だ」と苦言を呈した。


末尾の自民党中堅(議員)の言葉や、公明党幹部の言葉が正論です。
こんな苦言を呈される考え方だから、尚更に国民の理解が広がらないのです。
勿論思うように報道してくれないマスメディアへの不満はあるでしょうが、それをマスメディアに捉えられたら余計に相手の思うつぼです。
国民に対するアピールが下手なんです。
自らも足を引っ張っていることを自覚しなくてはいけません。  続きを読む

2015年06月26日

今(は必要ない)・・・ですか?

米国狙ったミサイル、撃墜必要なし 民主・岡田代表が認識表明
2015.6.24 23:23 http://www.sankei.com/politics/news/150624/plt1506240046-n1.html
 民主党の岡田克也代表は24日夜のBSフジ番組で、北朝鮮が米国を狙って弾道ミサイルを発射した場合、日本は集団的自衛権を行使できない現行法制では撃墜することはできず、そのために法制を改める必要もないとの認識を示した。事実上、米国に向かうミサイルに自衛隊が共同対処する必要はないとの考えを示したものだ。
 岡田氏は、政府が提出した安全保障関連法案で集団的自衛権行使が認められる存立危機事態について「米国にミサイルが飛んでいくことが存立危機事態に当たるのか」と疑義を呈した。そのうえで「グアムなど米国へ飛んでいくミサイルまで撃墜すべきだというなら、裸の(全面的な)集団的自衛権を憲法改正して認めるしかない」と指摘した。
 さらに岡田氏は「今、集団的自衛権を認める必要はない」と断言。事実上、米国を狙ったミサイルに自衛隊が共同対処する必要はないとの認識を示した。一方で「未来永劫(えいごう)認めないと決めつける必要はない。将来の余地を全部ふさぐ必要はない」とも述べた。
 一方、岡田氏は北朝鮮有事に関し「日本がまずやるべきは、朝鮮半島にいる日本人を無事日本に移動させることだ。韓国政府の協力なくしてはできない。首脳会談もできない状況で、それができるのか」と指摘。政府に「外交努力が足りない」と注文を付けた。
 出演者から、民主党政権下で当時の李明博大統領が竹島に上陸するなど、日韓関係が悪化したことを指摘されると「連続線上の到達点だ。(民主党への)政権交代の前に(韓国の)首相が行って石碑を作っている。突然、大統領が行ったわけではない」と述べ、「民主党を責めるのはちょっと違う」と反論した。


「今、集団的自衛権を認める必要はない」と断言、ってことは認める時期があるということですね。
つまり集団的自衛権は必要という認識ですよね?

この流れで、「集団的自衛権を憲法改正して認めるしかない」と指摘したということは、集団的自衛権を全く問題なく行使するための憲法改正に賛成ということですね。  

2015年06月22日

人文社会系学部

文部科学省が国立大学に既存の学部などを見直すよう通知したのが6月8日。
以下はそれを報じた朝日新聞デジタル版の記事。

その学部、本当に必要? 全国立大に見直し通知、文科省
高浜行人2015年6月8日19時18分

 文部科学省は8日、全86の国立大学に、既存の学部などを見直すよう通知した。主に文学部や社会学部など人文社会系の学部と大学院について、社会に必要とされる人材を育てられていなければ、廃止や分野の転換の検討を求めた。国立大に投入される税金を、ニーズがある分野に集中させるのが狙いだ。
 国立大には、法人化された2004年度以降、6年ごとに「中期目標」を作って文科省に提出する義務がある。6月末が16年度からの目標案の提出期限で、大学の認可を受けるには、目標が通知の趣旨に沿っている必要がある。
 通知は「特に教員養成系や人文社会科学系学部・大学院は、組織の廃止や社会的要請の高い分野に転換する」ことを求めた。例えば、人文社会系の卒業生の多くがサラリーマンになるという実績を踏まえ、大学は地元で必要とされている職種を把握。需要にあった人材を育てる学部に転換するなどといった想定だ。



”ニーズがある分野” という意味がよくわからない、というよりその判断はどうやって行うのかという疑問はあるが、基本的にこの政策には反対である。
と思っていたら、「神社新報」にこんな記事が出ていました。

誇るべき西洋語の邦訳
神社新報 平成27年6月22日付け

 翻訳大国・日本
 約二十年前、韓国の名門梨花女子大学から集中講義に招かれた時、学生に一番人気がある第二外国語は日本語だと聞いた。理由は、日本語さへ読めれば、英独仏露西中語の学術書や文学歴史思想の参考書が全部和訳で読めるからだといふ。なるほどと思ったが、反日ばやりの今は、果たしてどうか。
 とにかくこの理由は全く当ってゐる。翻訳の充実では英語以上ではないか。我々はおとぎ話もイソップ物語も同じやうに聞いて育った。そんな国民は少ないと思ふ。
(以下略)


別に、彼国のために翻訳をしている訳ではないが、各国の学術書などを邦訳できる人材もこの影響で減ってしまうかもしれない。
否、これは有意義なこと ”ニーズがある分野” として残されるかもしれないが、残されないかもしれない。
そもそも 「学問とはなんぞや」 ということではないだろうか。
世間の役に立つ、立たないで学問の線引きはできないと思うし、全く世の中の役に立たないであろうと思われた研究から意外な成果が出てくることもあると思う。
勿論税金を使っているから、ムダ金を減らしたいという発想はわからないでもないが、逆に私学ではないからこそできる(継続できる)研究というのもあるのではなかろうか。

私が卒業した史学科というのは、果たして現代社会において ”ニーズがある” のか ”ない” のか。気になるところである。  

2015年06月15日

護憲派の人たちは本当に改憲の必要はないと思っているのか

予告通り 見出しの記事を書こうと 「護憲」 というキーワードで検索をかけましたら、護憲を主張するタレントの名前が沢山上がってきたのでまずは忘備録的にその方たちのリストを作ることにしました。

鶴瓶も「赤旗」で護憲を主張! 芸能人・文化人の間で共産党が人気な理由

リテラ 2014年12月11日 12時00分 (2014年12月17日 07時56分 更新)

この記事で名前が上げられているタレント
・笑福亭鶴瓶(しんぶん赤旗日曜版平成26年11月30日)憲法9条について
・六代目松鶴(鶴瓶の師匠)
・市原悦子(しんぶん赤旗日曜版平成26年11月2日)
・内山奈月(AKB48)(しんぶん赤旗平成26年9月28日)
・西田敏行(しんぶん赤旗平成25年12月22日)
・宮崎駿
・瀬戸内寂聴
・室井佑月
・高村薫
・須賀健太
・渡辺えり
・加藤登紀子
・ちばてつや
・やくみつる
・藤原紀香(しんぶん赤旗平成25年11月4回連載)


ちなみに 「護憲 タレント」 で検索すると ご丁寧にも まとめサイト がありました。
http://matome.naver.jp/odai/2142436164645321201
こちらに挙げられている方々は以下の通り。
・太田光 著書 『憲法九条を世界遺産に』 など
・品川祐
・ASIAN KUNG-FU GENERATION
・テリー伊藤
・古館伊知郎
・小倉智昭
・細木数子
・アグネス・チャン
・井筒和幸
・やくみつる
・関口宏
・山本太郎(メロリンQ)
・鳥越俊太郎
・愛川欽也
・孫正義
・大竹まこと
・井上ひさし
・森永卓郎
・宮崎駿
・瀬戸内寂聴
・坂本龍一
・菅原文太

まぁ、こちらのリストの方は 名前を拝見した時点で 「あぁ、そうだよね」 と思う方も多数いらっしゃる訳ですが・・・。
それにしても検索すれば嫌になるほどたくさんの名前が挙がってきます。
政治信条は個人の自由ですが、それにしても自国を悪くいう人がこんなにいて、そういった人が沢山テレビなどに出て発言するわけですから、そりゃぁどうしてもそっち方面に誘導されてしまいますね。

このまま終わってしまうのは非常に気分が悪いので、同じまとめサイトには愛国者の著名人・タレント一覧がありましたので、そちらもリストアップしておきます。  続きを読む

Posted by 木霊 at 11:18Comments(0)

2015年06月13日

屈するな!日本!!

先日世界動物園水族館協会(WAZA)が日本動物園水族館協会(JAZA)を除名するという報道が流れました。
日本伝統の追い込み漁によるイルカ入手が適切ではないとのWAZAの主張によるものです。
JAZAはその正当性を繰り返し主張してきましたが、結局受け入れられることなく今回の事態となったわけです。

JAZA加盟会員の間で話し合いが行われ、会員の多数が選んだのはWAZA加盟継続。
これにより、追い込み漁によるイルカ入手はやめることになります。
WAZAは、動物の血統を管理するほか、世界の動物園間の動物のやり取りに関与しているのでこの情報網は希少動物の繁殖、入手に有利に働き、そこを懸念した会員からは加盟継続の主張がされたのでしょう。
中国や韓国などはWAZAに加盟せず繁殖や個別の関係で動物を入手していますが、JAZAはその道を選択しませんでした。
JAZAの結論はある意味において ”仕方のないこと” という気もしますが、このやり方何かを思い出しませんか??

そして、これは日本だけの問題ではなく、アジア諸国の水族館などで飼育されたりショーで使われているイルカは日本が追い込み漁で捕獲したイルカだとか。
今後、追い込み漁による捕獲を行わないということは、これらの国々でも困ったことになって行くかもしれません。


そんな世間の流れの中、こんなニュースが入ってきました。

“妨害”SS 鯨研に賠償金3億円支払いへ
日本テレビ系(NNN) 6月10日(水)14時44分配信


SSとはシーシェパードのことです。言うまでもなく、反捕鯨団体の世界最大手(笑)です。
記事は以下の通り。

 日本鯨類研究所などは、日本の調査捕鯨船への妨害活動に関して環境保護団体シー・シェパードから約3億円の賠償金を受け取る見通しとなったことを明らかにした。
 アメリカの第9巡回裁判所は2012年12月、シー・シェパード側に対し、日本の調査船やその乗組員を攻撃することなどを禁止する仮差し止めを出している。しかし、これに反して妨害活動が続いたため、昨年12月に連邦高裁はシー・シェパードに賠償命令を下した。
 これを受けて、日本鯨類研究所とシー・シェパードは賠償の交渉を行ってきたが、シー・シェパードが争っていた法廷侮辱罪をめぐる最高裁判所の判断が現地時間8日に出され、シー・シェパードの上告は棄却された。
 こうしたことから、シー・シェパード側が255万ドル(約3億円)の賠償金を日本鯨類研究所と共同船舶に支払うことで合意した。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20150610-00000037-nnn-bus_all



この裁判、どうやらアメリカで行われたようですが、アメリカでこういう判決が出されたというのは大きな一歩になるのではないでしょうか。


先ほど、”このやり方、何かを思い出しませんか?” と記しました。
日米開戦前の ”ハルノート” と構図が似ていると私は感じました。

日本はWAZA加盟継続以外の選択肢はとらないだろう → イルカの追い込み漁はやめることになる

この筋書きありきな気がするのです。
そんな流れの中でのこの判決は、何かが動き始めるきっかけになってくれればよいのですが。

それでは、イルカの追い込み漁をやめさせたり、捕鯨を禁止にしたりするのは何故なんでしょうか?

こんな記事もありました。長いですが、例の如く全文引用します。

イルカ漁騒動で大儲けするのは誰か?
ダイヤモンド・オンライン 6月12日(金)8時0分配信

世界動物園水族館協会(WAZA)から4月、会員資格を停止された日本動物園水族館協会(JAZA)。背景には反捕鯨団体による圧力があったと言われている。反捕鯨団体は、日本を悪者にすることで大金を稼いでいるのが実情だ。

● JAZA会員資格停止騒動の裏に 反捕鯨団体の圧力が
 5月27日、日本動物園水族館協会(JAZA)の会員用ホームページが国際的ハッカー集団「アノニマス」からサイバー攻撃を受け、会員の電話番号やメールアドレスが流出していたことがわかった。
 JAZAといえばその少し前、4月下旬に、和歌山県太地町のイルカ追い込み漁を「残酷だ」と問題視する国際機関「世界動物園水族館協会」(WAZA)から会員資格停止を通達されたことを受け、今後は追い込み漁で捕獲したイルカの購入をしないという苦渋の決断を下したことで国内外から注目された。
 WAZAという団体は、過去には北海道のクマ牧場を劣悪な環境だと改善勧告するなど動物愛護の精神に溢れている。イルカショーも基本はアウトという立場をとっているので改善を求めてくるなどは予想できたが、なんの前触れもなく「会員資格停止」という強硬手段に出た。個人的にはこれが非常に不可解だったのだが、JAZAの荒井一利会長が記者会見で述べたところによると、反捕鯨団体の影響らしい。
 「WAZAの通告の裏には反捕鯨キャンペーンがあったと思う。いじめという言葉が妥当かは分からないが、圧力があったのは間違いない」
 ややこしい話だが、反捕鯨団体に圧力をかけられたWAZAがJAZAに圧力をかけたという図式だというわけだ。ただ、そうだとすると別の疑問も浮ぶ。イルカ漁やらイルカショーへの抗議は年がら年中やっている。これだけでWAZAが動くとは到底思えない。
 だが、この「情報流出」を聞けば合点がいく。

● サイバー攻撃でイルカ漁情報を世界に拡散 ハッカー集団と反捕鯨団体の「連携プレイ」か
 JAZAの会員用ホームページには、各地で開催される会議の情報や報告のほか、加盟する施設がイルカなどを入手する方法や繁殖の記録なども保管されていた。また、流出されたと思しき情報がアップされていたのが、水族館でイルカやシャチを展示することなどに抗議をするサイトだったという。しかも、流出が判明したのは3月。WAZAから資格停止の通達があった1ヵ月ほど前のことだ。
 まず、アノニマスが日本の水族館の“イルカにまつわる内部情報”をネットに漏れさせる。次に反捕鯨団体がこれを取り上げて、鬼の首をとったかのように大騒ぎをし、「こんな酷い状況を放置しておいていいんですか? 」とWAZAを締め上げる。この“連携プレイ”によって、日本側にとって寝耳に水の「資格停止」となったとは考えられないか。
 もちろん、すべては推測だが、近年の反捕鯨団体とアノニマスの動きを考えれば不思議ではない。
 あらためて言うまでもないが、反捕鯨団体の本当の狙いはJAZAではなく、和歌山県太地町である。彼らが心底憎むイルカ追い込み漁を頑なに続けているというのはもちろん、この地が世界でも有数の「イルカ供給基地」ということが大きい。
 財務省の貿易統計によると、2009年9月~14年8月の鯨類などの生体輸出は計354頭。輸出先は中国216頭、ウクライナ36頭、韓国35頭、ロシア15頭など12ヵ国に及び、米国も1頭ある。現在、イルカ漁の生体販売は太地町以外に実績はない。つまり、これらの国の水族館のイルカ展示やイルカショーは、太地町が支えているのだ。
 反捕鯨団体「シーシェパード」(以下、SS)は、日本の捕鯨船への嫌がらせを誇らしげに「クジラ戦争」と呼ぶ。そのロジックで言えば、太地町は「イルカ戦争」の最前線。ここを潰せば戦局は大きく変わる。だから、SSの活動家は太地町に潜入して、漁師たちに嫌がらせをするなど“妨害工作”を働く。
 町役場や漁協に世界中から嫌がらせのファックスなど「紙爆弾」が送られるのも、戦意を喪失させるためだ。このように最前線で奮闘するSS活動家の“後方支援”に乗り出したのがアノニマスだ。13年11月に和歌山県や太地町のほか、22のサイトを名指しでサイバー攻撃すると宣言し、「我々の怒りの大きさを直視せよ」という声明を発表しているのだ。
 こういう経緯をあらためて振り返れば、WAZAによる「会員停止処分」は、実は反捕鯨団体やアノニマスによって綿密かつ周到に準備された“奇襲作戦”であった可能性は極めて高い。

● シーシェパードが仕掛ける「イルカ戦争」 動物愛護PRで大金が儲かる
 追い込み猟で捕獲したイルカをJAZA加盟水族館が買わないということになれば、「日本随一のイルカ供給基地」である太地町に大きなダメージを与えることができる。だが、そんな戦果以上に、太地町を孤立させることは、反捕鯨団体にとって大きなメリットがある。
 それは、「反捕鯨活動のPR」だ。
 反捕鯨団体に限らず動物愛護団体というのは、一般人はもちろんのこと、環境系企業や大富豪からの「寄付」によって成り立っている。当然、メジャーな活動にはたくさんのカネが集まるし、どんなに素晴らしい活動でも、「知る人ぞ知る」というようなマイナーなものだと集まりが悪い。だから、どうしても知名度がキモになる。
 これに加えて、じゃんじゃんカネが集まるためには必要不可欠な要素がある。「悪者」だ。
 動物愛護団体の「正義」を際立たせるためには、なんの罪もないいたいけな動物を、自分たちの利益のために殺すという「悪者」がいなくてはならない。そういう意味では、太地町はうってつけだ。
 ほとんどの日本人はイルカもクジラも食べない。ここに手をつけなくてはいけないほど、飢えているわけではない。にもかかわらず、一部の人々が自分たちの利益のためにイルカやクジラを殺しまくる。そんな野蛮な行為をやめてと訴えても、「文化」とか「調査」だと反論して耳を傾けない。
 そんな“悪の漁師町”がメディアによって世界に広まれば、必然的に反捕鯨団体のプレゼンスもあがる。「こんな酷い大量虐殺がまだ行われているとは知らなかった。こりゃなんとかしないと」という“意識高い系”のセレブやら、動物愛護なんかをCSRにしている環境系企業からチャリンチャリンとカネが集まるという仕組みだ。
 だから、動物愛護団体はエボラ出血熱を広めた原因でもあったブッシュミート(野生動物食)はあまり声高に批判しない。アフリカではイルカと同じく知能の高いほ乳類とされているゾウなどを殺して食料にする人々がいるが、これは貧困や食料問題のせいで明確な「悪者」がいない。南北問題なんかも複雑にからみあっていて、ヘタをすると、矛先が先進国へブーメランのように跳ね返ってくる恐れもある。その点、イルカやクジラの場合、安心して日本を「悪者」にすることができるというわけだ。
 いやいや、宇宙船地球号の仲間たちを守るラブ&ピースな人たちが、そんな打算で動くわけがないだろう、とブーイングが寄せられるかもしれないが、事実として、このような「対立軸」をつくりだすことに成功した動物愛護団体には巨額のカネが舞込んでいる。
 その代表がご存じ、SSだ。

●  映像を駆使する巧みな“広報戦略”で SSの収入は8年で10倍以上に
 産経新聞によれば、SSの04年の収入は120万ドル(約1億4000万円)に過ぎなかったが、8年後の12年には1365万ドル(約16億2000万円)と急成長を果たしている。ここに貢献したのが、日本という「悪者」の存在であることは言うまでもない。
 捕鯨船に体当たりをして邪魔をする。イルカ漁の網を切る。この8年間で、悪の組織に対して猛然と立ち向かう反捕鯨団体という対立軸を見事に確立したのである。そこで彼らの武器になったのが「映像」だ。
 SSはかねてからイルカ漁や捕鯨を行うデンマーク領フェロー諸島などで大暴れし、「エコテロリスト」なんて呼ばれて問題視されていたが、メジャーになったのは07年からスタートしたアニマルプラネットの「クジラ戦争」という番組によるところが大きい。
 SSの抗議活動に密着して、彼らがいかに捕鯨船を邪魔するかを迫力満点の映像で紹介するリアリティ番組はすぐに大人気となり、シーズン2にいたってはアニマルプラネット史上2位の高視聴率を叩き出して130万人が視聴をした。SSが日本の捕鯨船に対して派手なアクションをとる時は、だいたいヘリコプターが飛ぶ。これはテレビカメラで空撮をおこなっているからだ。彼らの抗議活動は、いかに“いい画”を撮るかでもあるのだ。
 こうした「映像作品」によってSS関連グッズが売れる。番組を見たハリウッドセレブから多額の寄付も寄せられる。こういう流れが一度できてしまうと、もう止まらない。
 視聴者やスポンサーは「悪者」には、よりそれらしいふるまいを望むものだ。そして活動家たちは、日本を強引にそういうキャラクターにしたて上げていく。
 たとえば抗議活動中、日本の捕鯨船にSSの活動家が乗り込んできたことがある。彼らは捕まる気マンマンで歯ブラシなんかのお泊りセットも持参し、「天ぷら食べたい」とか言いたい放題だったというが、後に解放されてから、「酷い虐待を受けた」などと言い出した。寄付ビジネスのためというのはわかるが、日本からすれば、やはり気分のいいものではない。

● クジラ戦争で培ったノウハウで イルカ漁が断罪された
 そんな「クジラ戦争」で培われた映像による対立軸設定の集大成が、太地町のイルカ漁を扱ったドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」である。
 和歌山県のホームページで、《イルカの捕殺現場を隠し撮りし、命が奪われていく所をセンセーショナルに映し出してい》るとあるように、日本側は撮影手法や構成がかなり偏っていると批判している。
 実は、この映像作品を手がけたのはSSのOBだ。彼らが10年以上も磨き上げてきた「対立軸を煽る」という手法がふんだんに使われているのは、ある意味で当然だろう。
 実際にその効果もてきめんに出ている。「ザ・コーヴ」がアカデミー賞をとってからというもの、太地町や漁協への「紙爆弾」は激しさを増し、「変態民族め」という誹謗中傷や、戦時中の死体画像とともに南京事件と結びつけるような文面もでてきたという。
 このような反捕鯨団体の緻密なPR戦略によって、日本は完全に「悪者」に仕立て上げられてしまっているというわけだ。こういう状況で、「伝統文化だ! 」とか「お前らだってスポーツハンティングしているだろ」みたいな反論をしたり、お役所のホームページで「公式見解」を示したりしても、ほとんど意味はない。というか、逆効果だ。
 たとえるなら、北朝鮮が核実験を世界中から非難されて、国営テレビの女性キャスターが怒って反論をしているのを見た我々が、「やれやれ、またおかしな理屈をふりかざしているよ」と思うのと同じような感想を抱かれるのがオチだ。

● 日本側が態度を硬化させれば逆効果 映像コンテンツでPRし返せ
 では、どうするか。彼らの「勝因」は反捕鯨活動というものを、さながらアメリカンプロレスのようなエンターテイメント性のある映像コンテンツにしたことである。これにカウンターを打つには、やはり映像やエンターテイメントで日本の正当性を訴えるしかない。
 ドキュメンタリーをつくるのもいい。実際に、同じくSSの標的になっているフェロー諸島では、イルカ漁がいかに地域文化や経済に根ざしているかというPRビデオをつくっている。アニメやマンガがクールジャパンだというのなら、そういう武器を使うのもいい。
 SSのような反捕鯨団体が最も喜ぶのは、今回のような圧力を受けて、日本国内で「文化を守れ」とか「欧米にガタガタ言われる筋合いはない」という世論が高まることだ。
 日本が態度を硬化させて、ノルウェーやアイスランドのようにIWC(国際捕鯨委員会)を無視して商業捕鯨を継続してくれれば、なおさら都合がいい。国際世論から孤立すれば、なんの気兼ねもなく「正義」の戦いを遂行できる。以前の大戦の時から、日本はこういう西側諸国の包囲網戦略に弱い。
 日本のイルカ漁、捕鯨関係者のみなさんは相手の挑発に乗ることなく、ぜひとも「PR」という戦いの方に力を入れていただきたい。
窪田順生


日本が今すべきことは何か。  

Posted by 木霊 at 15:00Comments(0)伝統・文化

2015年06月12日

モラル

先日、とあるパネルディスカッションで配布された資料の片隅に小さく赤い鳥居の絵が記されていました。
絵と言っても大層な絵ではなく、どちらかというと地図記号のようなものですが・・・。

この書き込みは配布者が 「パネルディスカッションが終わってから、資料をその辺に置いて行ったりしないようにするオマジナイ」 と仰っていました。
しかし、そんなオマジナイが通用しない世の中にありつつなっているようです。

▼京都の著名神社の鳥居の脇に立てられた「ここは神社の玄関口です。この付近にゴミを置かないでください」との看板を見て愕然となった。鳥居はもちろん鳥居の印が描かれたところは「不浄を憚る場所」との暗黙の了解があると信じてゐたのだが・・・。職員に尋ねると地域住民のゴミ集積場になってゐるのだといふ。古札納め場に家庭ゴミを捨てていく人が多く、困惑してゐる神社も近年増えてきたさうだ。
▼神社とゴミの不法投棄の問題を取材する中で「うちの神さんは不心得もんには、罰をあてはること、みんな知ってはるから、そんなことあらへん」との応へが返ってきた時には、「人が見てゐなくても、神様はみてをられる。罰当たりなことはしてはいけない」との先人の教へが継承されてゐることに安堵した。
▼「和服の着付けは、今では教室に習ひに行かねばならないが、戦前は親から子へ、子から孫へと受け継がれてきた」との服飾研究家のお話が思ひ出される。戦後七十年、時代の移り変はりとともに、「神は人の敬によって威を増す」との、神々への崇敬の持ち方、否、不浄を慎む念についても、あらためて多くの人々に教へる教室が、必要になってきてゐるのかもしれない。
平成27年6月8日付 神社新報


残念ながら当社も十数年前は一の鳥居横にゴミの集積場があり、地元と話をして場所を移動してもらった経緯があります。
その時、一部から反対の声があったとも聞いていますが詳しくはわかりません。
また古神札納所についても以前は社頭に置いた箱に自由に納めて貰っていましたが、古神札以外のものが入り始め、やがてゴミ箱然としてきたことから撤去し、現在は授与所で対面でお預かりをするようにしています。

昔は「お天道様がみている」と言って、人が見ていなくてもきちっとしなくてはいけないという意識が随分とあったように思います。
この ”お天道様” は即ち ”神様” であることは言うまでもありません。
しかし、今日では ”お天道様” という言葉が使われなくなって久しいようで、聞いたことがないという若者も多いとテレビか何かでやっていました。

核家族化が進み、共働きが増え、子育てが人任せになってきているという声も聞こえます。
小さい頃から保育所などに預けられ、お箸の持ち方から親が教えることの無い子供も増えていると聞きます。
挙句の果てに、子供の道徳教育なども含めて全て保育所や学校が教えるものだと思っている親も一部にはいるとか。
そんな人たちは極めて少数であろうと信じたいですが、しかし皆無ではないのは事実の様です。

近年、神社やお寺に関する本などが増えているのは、パワースポットブームなどの流行によるものだけではなく、実はそんな 「畏れを忘れた世の中」 に対する危機感から、文化伝統を知り、「親から子へ、子から孫へ」が大切だと無意識に気付き始めた兆候だとすれば嬉しいことですが・・・。  

2015年06月12日

自由民主党にモノ申す(その2)

先日(6月7日)、「自由民主党にモノ申す」と題して記事を書きました。
これはその続編です。

前記事では、集団的自衛権行使と日本国憲法の整合性について与党自由民主党推薦の参考人から「憲法違反」の判断が出されたことについて記しました。
この件についてはいろんなところで話題になっていていろんな意見が出されていますが、その中で気になる記事を見つけましたのでそれを紹介しておきたいと思います。

“違憲”学者を招致した役所に中国の手が入っている! 青山繁晴「ザ・ボイス」

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1734.html


青山繁晴さんについては御存じの方も多いと思いますので説明は割愛します。
どんな方か御存じない方はググってみてください(笑

さて、リンク先はニッポン放送のラジオ番組「ザ・ボイス」の内容紹介と、国会中継のキャプチャー画像などのテレビ画面が掲出されています。
詳しくはリンク先を拝見して頂きたいと思いますが、記事の主旨は参考人は政党が選んでいないということなんです。

これは青山さん自身が過去に国会に参考人招致された経験がありその時のやりとりを暴露すると同時に、氏が他の参考人について調べたところあらゆる証人は役所に丸投げであったことなどを暴露しています。
そして参考人を役所が選出する際の役所内のある動きなどについても言及しています。このある動きについては政権中枢にある方に問いただしたところ否定しないどころか肯定したことにも触れています。

どうやら、これが与党が招聘した(とされる)参考人が、与党の意図しない結論を導き出してしまった理由のようです。

ところで、衆議院憲法審査会では民主党の枝野幹事長が、自民党推薦の憲法学者が意見の立場をとったことを踏まえて自民党に強く批判を展開したわけですが、参考人招致に際して政党が選択していないことは民主党も当然承知している訳(民主党政権時代も仕組みは変わっていない様子)ですから、ある意味そのあたりを知らない人たち向けのパフォーマンスの意味合いも強いと感じます。
実際には、そんな内情はどうでもよくて、客観的には自らが推薦した人たちに反対意見を出されてしまうと、どうにも立場が弱くなるというのは当たり前のことですから、本件については従来までの慣例に任せるのではなく確認するなり、具体的に要望するなりすべきだったのかなと。(実際にそういうことができるのかどうかはわかりませんが・・・)
結局のところ、脇が甘いという印象を持たれてもやむなしと思うのです。

戦後70年、これまで何度も挑戦しながらも本格的に俎上に挙げることすらできなかった改憲問題。
抵抗勢力が多く、また強いことはあらかじめ分かっている訳ですから、もっともっと慎重に取り組んで欲しいと思うのです。
  

2015年06月07日

自由民主党にモノ申す

安倍政権が進める安保法案。大きな争点の1つに「集団的自衛権行使」と憲法の兼ね合いがあります。
この件について、与野党で憲法学の専門家を招き参考人質疑を行ったところ、与党が推薦する参考人も含めた3名全員が「憲法違反」との結論を出しました。

与党参考人が安保法案「違憲」 “人選ミス”で異例の事態 野党「痛快」 憲法審査会
産経新聞 6月4日(木)18時58分配信


 衆院憲法審査会は4日、憲法学の専門家3人を招いて参考人質疑を行った。憲法解釈変更による集団的自衛権の行使を含む新たな安全保障関連法案について、与党が推薦した参考人をはじめ全員が「憲法違反だ」と批判した。与党が呼んだ参考人が政府の法案を否定するという異例の事態となり、“人選ミス”で墓穴を掘った。
 自民党や公明党などが推薦した早稲田大の長谷部恭男教授は審査会で、安保法案について「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」と明言した。
 これに対し、法案作りに関わった公明党の北側一雄副代表は「憲法9条の下でどこまで自衛措置が許されるのか突き詰めて議論した」と理解を求めた。だが、長谷部氏は「どこまで武力行使が新たに許容されるのかはっきりしていない」と批判を続けた。
 関係者によると、自民党は参考人の人選を衆院法制局に一任したという。ただ、長谷部氏は安保法案に反対する有識者の団体で活動しているだけに調整ミスは明らか。「長谷部氏でゴーサインを出した党の責任だ。明らかな人選ミスだ」(自民党幹部)との批判が高まっている。
 審査会幹事の船田元(はじめ)自民党憲法改正推進本部長は、長谷部氏らの発言について、記者団に「ちょっと予想を超えた」と釈明。船田氏はその後、佐藤勉国対委員長から「自分たちが呼んだ参考人の発言だから影響は大きい。安保法制の議論に十分配慮してほしい」と注意を受けた。
 一方、野党は衆院平和安全法制特別委員会で「政府・与党の矛盾」を追及する構えだ。審査会で長谷部氏の発言を引き出した民主党の中川正春元文部科学相は党代議士会で「憲法審査会で久しぶりに痛快な思いをした」と満足げに語った。



この結論に対して与党議員からは批判の声が上がっている報道がありました。
菅官房長官もこの結論が適正ではないというコメントを出しています。

違憲指摘「全く当たらない」 菅氏、衆院憲法審査会参考人質疑に反論
産経新聞 6月4日(木)18時55分配信


 菅義偉官房長官は4日の会見で、同日開かれた衆院憲法審査会の参考人質疑で、3人の参考人全員が審議中の安全保障関連法案について「憲法違反」としたことに関し、「法的安定性や論理的整合性は確保されている。全く違憲との指摘はあたらない」と述べた。
 菅氏は、昨年7月に閣議決定した安保関連法案の基本方針に触れ「憲法前文、憲法第13条の趣旨をふまえれば、自国の平和を維持し、その存立を全うするために必要な自衛措置を禁じられていない」と指摘。「そのための必要最小限の武力の行使は許容されるという、以前の政府見解の基本的な論理の枠内で合理的に導き出すことができる」と話した。
 自民党などが参考人として推薦した早稲田大の長谷部恭男教授が憲法違反だと指摘した点に関しては「全く違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と述べ、今後の法案審議への影響は限定的との見方を示した。


確かに集団的自衛権の行使は憲法違反にあたらないとする憲法学者もいます。
しかし経緯はどうであれ与党が参考人として推薦した有識者から「違憲」の結論が出たことは重く受け止めなくてはならないと思うのです。

そして今回の結論に対して与党が取るべき方策は、参考人批判や合憲の結論を出してくれる別の参考人招致ではないと考えます。
憲法違反との見解が出されたがそれはそれとして、果たして集団的自衛権の行使が必要かどうかをしっかりと(世間に)問う必要があると考えます。
勿論、集団的自衛権の行使は国防上必要だと世間に認識してもらえるようにしなくてはなりませんが、その上で 「必要とされる事柄が憲法違反となるのは憲法条文が誤っているからだ。だから改憲をしなくてはならない。」 とするのが筋ではないでしょうか。

自ら推薦した参考人が意図する結論を導き出さなかったから無効にする批判するという態度は政府の信頼を失わせる行為です。
政治不信に陥っている現在、これ以上不信を募らせずに如何に行政府の役割を果たすかが政府に求められる行為だと考えます。
出されてしまった結論は結論として、それを踏まえて我が国のより良い在り方をどうするかを考えてゆくのが真の政治家の役割だと私は考えます。

世間には憲法改正に反対している政党もあるようですが、果たして彼らは本当に改正反対なのでしょうか。
これについては、項を改めたいと思います。


6/12 参考人の人選についての記事をUPしました。「自由民主党にモノ申す(その2)」をご覧ください。