2015年06月22日

人文社会系学部

文部科学省が国立大学に既存の学部などを見直すよう通知したのが6月8日。
以下はそれを報じた朝日新聞デジタル版の記事。

その学部、本当に必要? 全国立大に見直し通知、文科省
高浜行人2015年6月8日19時18分

 文部科学省は8日、全86の国立大学に、既存の学部などを見直すよう通知した。主に文学部や社会学部など人文社会系の学部と大学院について、社会に必要とされる人材を育てられていなければ、廃止や分野の転換の検討を求めた。国立大に投入される税金を、ニーズがある分野に集中させるのが狙いだ。
 国立大には、法人化された2004年度以降、6年ごとに「中期目標」を作って文科省に提出する義務がある。6月末が16年度からの目標案の提出期限で、大学の認可を受けるには、目標が通知の趣旨に沿っている必要がある。
 通知は「特に教員養成系や人文社会科学系学部・大学院は、組織の廃止や社会的要請の高い分野に転換する」ことを求めた。例えば、人文社会系の卒業生の多くがサラリーマンになるという実績を踏まえ、大学は地元で必要とされている職種を把握。需要にあった人材を育てる学部に転換するなどといった想定だ。



”ニーズがある分野” という意味がよくわからない、というよりその判断はどうやって行うのかという疑問はあるが、基本的にこの政策には反対である。
と思っていたら、「神社新報」にこんな記事が出ていました。

誇るべき西洋語の邦訳
神社新報 平成27年6月22日付け

 翻訳大国・日本
 約二十年前、韓国の名門梨花女子大学から集中講義に招かれた時、学生に一番人気がある第二外国語は日本語だと聞いた。理由は、日本語さへ読めれば、英独仏露西中語の学術書や文学歴史思想の参考書が全部和訳で読めるからだといふ。なるほどと思ったが、反日ばやりの今は、果たしてどうか。
 とにかくこの理由は全く当ってゐる。翻訳の充実では英語以上ではないか。我々はおとぎ話もイソップ物語も同じやうに聞いて育った。そんな国民は少ないと思ふ。
(以下略)


別に、彼国のために翻訳をしている訳ではないが、各国の学術書などを邦訳できる人材もこの影響で減ってしまうかもしれない。
否、これは有意義なこと ”ニーズがある分野” として残されるかもしれないが、残されないかもしれない。
そもそも 「学問とはなんぞや」 ということではないだろうか。
世間の役に立つ、立たないで学問の線引きはできないと思うし、全く世の中の役に立たないであろうと思われた研究から意外な成果が出てくることもあると思う。
勿論税金を使っているから、ムダ金を減らしたいという発想はわからないでもないが、逆に私学ではないからこそできる(継続できる)研究というのもあるのではなかろうか。

私が卒業した史学科というのは、果たして現代社会において ”ニーズがある” のか ”ない” のか。気になるところである。


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