2013年10月05日

フジテレビ開局55周年特別番組『池上彰緊急スペシャル!』

金曜プレステージ、フジテレビ開局55周年特別番組『池上彰緊急スペシャル!』を見ました。
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2013/130929-384.html

今回のテーマは4つ。
1、消費税
2、神宮式年遷宮
3、宗教法人
4、靖國神社

サイトから番組内容を転載します。

☆LIVE解説!どうなる?消費税増税!

 10月1日に安倍総理が、消費税の8%への増税を決断する!?国民生活への影響は?消費税増税でどんなことが予想されるのか?良い点、悪い点を池上彰が分かりやすく徹底解説。
☆20年に一度行われる伊勢神宮の「式年遷宮」っていったい何?

 日々ニュースをにぎわしている伊勢神宮の「式年遷宮」。20年に一度行われる伊勢神宮最大のお祭りで、新しく作ったお宮に神様にうつっていただく、いわゆる“神様のお引っ越し”である。伊勢神宮にある宮社が、新しく造られるためその総費用はおよそ550億円だという。
 そもそも、日本に「神道」が広まったのは、仏教が広まった6世紀より前といわれている。山や木や岩などあらゆるものにも「神」が宿っているという、自然発生的に始まった日本古来の考え方が「神道」で、「やおよろずのかみ」つまり数えられないほどの神がいて、日本各地の神社と呼ばれるところにまつられている。その日本各地の神についてや、皇室との関わりなど池上が丁寧に解説。「神道」を理解することで、伊勢神宮の持つ意味、式年遷宮の持つ意味が理解できる。さらに、今回は池上彰と佐々木恭子フジテレビアナウンサーが、観光客で賑わっている伊勢神宮を直接取材。お宮から、木々、そして栽培されている食物に至るまで、伊勢神宮を丸ごと解説する。
☆宗教法人って何?

 靖国神社や、伊勢神宮などの日本の宗教法人は、なんと18万を超える数の団体が、日本に存在しているという。宗教法人は、“公益性の高い活動”をすることを求められている一方で、税金などのさまざまな優遇措置を受けていることはあまり知られていないが、この日本の宗教法人について、改めて池上彰が解説する。
☆なぜ、総理大臣の靖国参拝が海外から問題視されるのか?

 日本の総理が変わるたびにメディアをにぎわす「靖国参拝」。なぜ、日本の総理大臣の靖国参拝は海外から問題視されてしまうのか?一番問題視されている点は、太平洋戦争のA級戦犯を合祀していることだが、この合祀は戦後30年以上経った1978年に行われたことだという。靖国神社は1869年(明治2年)に、大村益次郎の発案で“国家のために戦った戦没者を神としてまつるため”に創建された。創建から今日までの144年の歴史を学び、靖国神社の持つ意味を知り、「国家神道」「靖国神社の神・御祭神」などを理解することで、この参拝問題の根底にある理由が見えてくるかも。

池上彰コメント

「例えば“式年遷宮”って普通のニュースでも取り上げますよね?でも伊勢神宮がそもそもどんな神社なのかや、古事記や日本書紀との関係など、ちゃんと取り上げることってないですよね。なんとなく、日本全体の神様らしいとか…、それを、そもそも神道とはどういうもので伊勢神宮とは何なのかをきちっと位置づける番組は、とても画期的ではないかと思います。また、靖国神社は、そもそもどんな神社であるとか、どうして国際問題になるのかなどをきちっと放送してはいないですよね。これを番組を見ることで分かっていただけると思います。さらに宗教法人ってよくニュースに出てきますが、そもそも宗教法人って何かを基礎から説明することで、日本の宗教が何か見えてくるのではと思っています。何となく、分かっているようで、分かっていない、また、何となくみんなが敬遠してきたことを、番組できちんと順序立てて説明したいと思います」

池上氏の番組は、ニュースや時事問題の解説がわかりやすいと評判のようですが、果たしてこれらの内容についてどれだけ正しく解説してくれるのか興味があると同時に、あまり期待せずに視聴しました。
消費税についてはさておき、のこりの3つについては仕事柄大変に興味深くもあり、気になる内容でしたが、結論から言うと不十分かつ不満足な内容でした。
特に靖國神社に関する解説については大事なポイントがいくつも抜けていたように思われます。

細かいところをあげて行くと大変ですので割愛しますが、いわゆるA級戦犯合祀に関しては国内法による対処だけの説明では完全に片手落ちです。そして、冨田メモだけを取り上げて御親拝がなくなったという説明も不適切です。
また歴代総理の参拝と外交問題の説明についても事実誤認させかねない説明でした。
これらについて、私なりに書き記しておきたいと思います。
(この内容は和歌山憲法研究会で発表した内容と重複します)

まずいわゆるA級戦犯の赦免についてです。
番組では昭和26年のサンフランシスコ講和条約発効(日本の主権回復)によって戦犯赦免の署名運動が始まったと説明がありましたが、既に前年である昭和25年4月には日本健青会による海外抑留同胞救出国民運動が展開され、受刑者釈放運動が始まっていました。
全国で受刑者の釈放署名運動が始まるのは主権回復後のことですから、この点については番組通りで差し支えないと考えます。
当時の日本の人口約8400万人の中、集まった署名は約4000万人となり、これを受けて国会では全会一致で戦犯釈放を決議し、日本の国内法において「戦犯」は存在しなくなった、と番組では解説がありました。しかし実際にはそれだけでなく、政府は講和条約関連各国に働きかけをして、A級に関しても全ての関係各国の同意を得て出所させています。
つまり、日本国内だけの判断で戦犯釈放を行ったのではなく、関係各国の同意も取り付けたという、重要な要素が抜け落ちているのです。(講和条約11条には関係各国の同意が必要と記載されている)
ちなみに、中華人民共和国も大韓民国もこの講和条約の関係各国ではありません。

昭和天皇の御親拝がなくなった理由として冨田メモを取り上げ、昭和天皇がA級戦犯の合祀に不快感を表し、合祀以来靖國神社に参拝していないと心の内を吐露されたと解説がありました。番組では冨田メモの信憑性が高いとしていましたが、未だ冨田メモの信憑性については疑問が残されたままです。
平成18年8月10日付週刊新潮などで櫻井よしこ女史が冨田メモの矛盾について指摘されています。
昭和天皇の御親拝中断の理由として、戦後初めて8月15日の終戦の日に靖國神社を参拝した三木首相による「私的参拝発言」が原因とする説がありますが、こちらの紹介は全くありませんでした。

A級戦犯合祀の経緯についても、昭和54年4月の朝日新聞記事を取り上げて「靖國神社が極秘に合祀を行い、それを半年後に朝日新聞がスクープとして記事にした」と解説していましたが、極秘に行ったわけでなく、合祀を行った昭和53年10月17日の合祀祭の翌日、18日の例大祭当日祭において宮司挨拶で合祀の報告を多くの参列者に対して行っています。
そして合祀に関しては、その時に何ら問題視されず、昭和60年8月15日に中曽根首相が公式参拝を行ったことで初めてシナが問題にし騒ぎ出したと説明がありました。池上氏は昭和53年から昭和60年までの間に首相参拝はあったが、大東亜戦争(番組では第二次世界大戦と表現)を連想させる8月15日に首相が参拝したのでシナ(番組では中国)がけしからんと言ってきたと説明しましたが、三木首相以降中曽根首相までの間に、福田首相が1回、鈴木首相が3回と8月15日参拝をしています。それぞれ公私の区分についてはあいまいにしながらも、公用車を用いての参拝などが行われてきました。
このあたりについても、事実関係の説明が不十分です。

そして、昨年の靖國神社秋季例大祭に安倍自民党総裁が参列したことを取り上げて、今秋に安倍首相が参拝するかが注目されるとしました。
私自身は、以前より首相参拝は8月15日の終戦の日よりも春秋の例大祭こそがふさわしいと主張しており、今秋の安倍首相の動きに注目しています。終戦の日の参拝は大東亜戦争の戦没者に対する気持ちを表すには相応しいかもしれませんが、靖國神社に祀られる英霊は戊辰戦争や日清日露戦争の戦没者などもいらっしゃいます。それら全英霊に対する気持ちを表すには春秋の例大祭こそが相応しい日なのです。
池上氏が今秋の例大祭に安倍首相が参列するかどうかが大きな決断だとしたその真意は私と同じ考えだったのでしょうか。残念ながら私には、安倍首相の例大祭参拝に対するネガティブキャンペーンの序章に感じられました。

以上、取り急ぎ番組を見ての靖國神社に関する部分の感想を記してみました。
走り書きのようなブログ記事になりましたので、乱文ご了承ください。

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