2011年12月02日

大麻と大痲

こんな事件が報道されました。

神棚に大麻お供え 伊豆大島の会社役員ら男女7人逮捕「日本の伝統守るため」 
2011.12.2 12:24 [ドラッグ]

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111202/crm11120212250008-n1.htm

 東京・伊豆大島の民家などで大麻を隠し持っていたとして、警視庁組織犯罪対策5課と大島署などは、大麻取締法違反(営利目的所持)の現行犯で東京都大島町差木地、自称画家、荒井唯義容疑者(65)と同町元町、自営業、高野真利子容疑者(33)を、同法違反(所持)の現行犯で、同町波浮港、会社役員、中山康直容疑者(47)ら男女5人を逮捕した。
 同課は、中山容疑者の自宅など関係先から、乾燥大麻計約490グラムと大麻草計17本を押収。中には神棚に供えられた大麻もあった。同課によると、荒井容疑者は「日本の伝統を守るためや吸うために持っていた」、中山容疑者は「大麻の栽培方法を研究したり、吸ったりしていた」などと供述しているという。
 同課によると、荒井容疑者と中山容疑者は平成11年ごろから、伊豆大島で宗教的な団体を組織し、「儀式」と称して民族衣装を着て踊るなどのイベントを開催。今回逮捕された男女もこうしたイベントに参加しており、同課は、集団で大麻を使っていた可能性もあるとみて調べている。
 荒井容疑者の逮捕容疑は、高野容疑者宅に、乾燥大麻約270グラム(末端価格約160万円相当)を持っていたとしている。



伊勢の神宮のお札は「神宮大麻」と呼ばれますが、当然薬物ではありません。
ですから、この事件の大麻とは全く別物です。


この事件より前に発行された神社界の新聞「神社新報」には次のような内容記事が掲載されていました。

元々日本で栽培されていた大麻には幻覚成分が少なく、吸引するような用法はなかったそうです。そのため昭和30年に初版が発行された『広辞苑』には【大麻】の項目に薬物の意味は掲載されていなかったようです。しかし、戦後占領政策の中で大麻栽培の取締りが始まった。(筆者要約)

そして、その後に興味深い提言がなされています。

「麻薬」の字は「痲薬」とも表記する。国立がん研究センターの印は、「癌」の字から部首の病垂を取り除いて図案化したものという。提言とまではいわないが、ここは一つ、痲薬の「大麻」は病垂を付して「大痲」とした方が相応ではないだろうか。(原文歴史的仮名遣い)


ちなみに、大麻を神具や繊維として用いるために栽培する場合は茎を用いるので上に伸びるように露地などで密生させて栽培するそうですが、薬物として用いる場合は枝葉を用いるので室内で横方向に伸びるように栽培するそうです。したがって栽培状況を見れば目的が分るとか。
尚、日本の在来種も幻覚成分が少ないだけで皆無ではありません。そのため、麻の栽培に許可が必要なようです。祭祀に用いる場合には神社などの許可が必要らしく、以前承認して欲しいと依頼されたことがあります。許可した方からは後日、麻芋の奉納がありました。

同じ植物でも栽培方法で、全く違う目的に使用がされるというのには驚きです。
そんな訳で、縦方向に栽培した麻は「大麻」、横方向に栽培した麻は「大痲」と区別して表記することに私は賛成です。



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