2017年03月06日
神都の祈り
「神都(しんと)」 という言葉があります。
文字通り、神様の都という意味で捉えていただいて差し支えないと思いますが、神都というと通常は伊勢の神宮が鎮座します伊勢国を指します。
さて、そんな 神都 伊勢 に 「神都の祈り」 というお酒があるそうです。
昨年誕生したこのお酒(日本酒)は、伊勢市の隣の明和町の役場内にある農業生産法人と、酒屋、そして我が母校である伊勢市の皇學館大學の3者、いわゆる産官学による連携によるものだそうです。
産官学による商品開発というのは取り立てて珍しいものではないわけですが、ここで取り上げたのは単なる母校自慢ではなく、この3者連携は非常に異色なものであるからです。
通常学校が携わる場合は、農業系だったり、商業系だったり、デザイン系だったりという学校学部が、それぞれの特徴・得手を発揮しています。
皇學館大學にはこれらいずれの学問を専門にした学部学科はありません。
では、どのように携わったのか。
ずばり 「祭祀」 、つまり 「祈り」 であり、それが 「神都の祈り」 という銘柄にも表れているのでしょう。
皇學館大學が学生に農業体験をさせたいという、学長の思いから始まった稲作だそうですが、協力者の中から 「どうせならお酒にしませんか」 という提案があり、稲作から酒造まで行うことになったそうです。
そして酒造も行うという方向が定まると、今度は明和町から 「国から地方創生加速化の補助金が出るから連携しましょう」 と提案があり、3者連携が定まったそうです。
そして、神道系の大学として 「田植え」「稲刈り」「醸造始め」「醸造終了」という節目にそれぞれお祭りを重ね、その結果もあるのか、お米は豊作、出来上がったお酒も実に上品で爽やかな仕上がりだったとか。
【産学官連携日本酒プロジェクト】 (明和町のサイト)
http://www.town.meiwa.mie.jp/main/gyousei/sousei/1485736870936.html
今、国会では 「神道系の小学校」 の教育方針等について、批判的な意見が渦巻いています。
土地入手の手続き等については、報道を見ている限りでは疑念を持つところも多々ありますし、系列の幼稚園での教育風景についても若干行き過ぎのように感じるところがないわけではありませんが、教育方針については概ね 「どこが悪いのかわからない」 という状況です。
幼稚園児に 「教育勅語を暗唱させる」 ということについても、「軍国主義的だ」 などという意見もあるようですが、そういった方は一体教育勅語の中身を知っているのでしょうか。
地方自治体からの提案で、国庫より補助金を頂き、地域産業・地域経済発展のために智恵と労力を出し合って行う事業に 「祈り」 を重ねる。
「祈り」という人間の生きた感情が篭った事業は、とてもあたたかみのあるものではないでしょうか。
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。