2014年06月10日

親しみやすい敬語??

桂宮宜仁親王殿下が薨去されました。謹んで哀悼の意を表します。

さて、この訃報を勿論国内の各報道機関が報じるわけですが表現がまちまちです。
「薨去(こうきょ)」「逝去(せいきょ)」・・・。
某報道機関は
「できるだけ平易で簡潔であることを基本的な考え方として、親しみのある敬語を使用しています」

として「逝去」を用いる理由としたそうです。
ところで日本語では訃報に際して次のように使い分けることになっています。

「崩御(ほうぎょ)」・・・天皇および三后(皇后、皇太后、太皇太后)の逝去に用います。
皇太后(こうたいごう)とは天皇陛下の御母堂(つまりお母様)、太皇太后(たいこうたいごう)とは天皇陛下の祖母を言います

「薨去(こうきょ)」・・・皇族および三位以上の方の逝去に用います。現在は叙位がありませんので皇族に用いられます。

「卒去(しゅっきょ)」・・・四位・五位の人の逝去に用います。現代では王や女王に用いられることがあります。

「逝去(せいきょ)」・・・人の死の尊敬語。

「死去(しきょ)」・・・人が死ぬこと。

以前にも寬仁親王殿下の訃報に際しこのブログで薨去の説明を記したことがありますが(薨去 卒去)改めて記しておきます。

人が亡くなった時にどのように呼ぶのかについては古く律令に規定があります。学校で日本史の時間に大宝律令という言葉を習ったと思います。あの律令です。

百官(散官・女官・無位皇親等全てを含む)が死亡したならば、親王、及び、三位以上は、薨と称すこと。五位以上、及び、皇親は、卒と称すこと。六位以下、庶人に至るまでは、死と称すこと。

この規定が現代社会においても生きて使われており、正しい日本語の表現ということになります。

普段耳にすることの無い言葉ですから、中には 「そんな難しい言葉を使うのはやめたらいいのではないか」 などというご意見もあるかもしれません。報道機関の中にはそういう理由を述べて誰にでもわかる報道をともっともらしく言っているところもあるようです。

しかしそんなことはちゃんと説明を加えればよいのです。実際、分かり難い用語などが出てくれば新聞などでも 「用語解説」 の様な小欄を設けていることはしばしばあります。TPPなども用語説明がなければ最初は分かりませんよね。

もっと分かりやすく例を置き換えると、「○○の父××」 などという表現で 「父」 では堅苦しいから 「おとうちゃん」 と書きましょうとして 「○○のおとうちゃん××」 などと記事を書くかということです。これは極めて極端な例ですが、私的にはそんなに差のないことと思っています。

報道機関が皇室に対して不適切な敬語を用いる背景には昭和22年に宮内庁と報道機関との間で、「(皇室への敬語について)普通の言葉の範囲で最上級の敬語を使う」との了解があったということですが、昭和22年というと占領下の事ですから占領軍の意向も強く反映されていたことは想像に難くありません。
こんなところにもまだ戦後を脱却できていない部分があるのです。

ちなみに、先日もあるところでお話させていただいた折に聴講していた方々に聞きましたところ、先の大戦(大東亜戦争)の終戦は昭和20年8月15日だと思っている方が大半でした。国際的な常識で言いますと昭和27年4月28日までは日本は戦争状態にあり、昭和20年8月15日は武装解除に応じた日であるという理解になります。
この終戦意識の差が占領政策時に狂わされた諸々のことから、本来の日本に戻りきれない大きな原因のように最近強く思えています。



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Posted by 木霊 at 11:19│Comments(0)
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