2018年07月19日

キャベツ

今年は例年になく暑いですね。
夏は暑いのが当たり前、と2~3年前までは少々前年よりも暑くても言っていましたが、どんな範疇を越えてきていますね。

暑いと夕方にはよく冷えたビールが飲みたくなります。
「暑気払い」と称してビールなどを飲む機会をつくったりもしています(笑
流石に忘年会シーズンほど飲む機会も量も多くありませんが・・・。

ところで飲み過ぎにはキャベツが良いとよく聞きますね。
著名な二日酔いの薬にはキャベツの成分が入っているとかで、キャベツに良く似た商品名がつけられていますね。

そんなキャベツですが、人類が作物として栽培し始めたのは2500年ほど前に遡るといいます。
地中海地方に定住したケルト人がキャベツの原種を栽培していたと考えられています。
但し、キャベツの原種は葉が丸く結球はせず、開いたままだそうです。
そして当時から薬効は知られていたようで、古代ギリシャの博物学者テオフラストスは「その液汁を胃薬として用いる」と『植物誌』に記しているそうです。
またローマの博物学者プリニウスはすりつぶしたキャベツの薬効として「頭痛、目のかすみ、目のチラツキ、脾臓、胃などに効く」「ブドウ酒の酔を防ぐ」と『博物誌』に記しており、二日酔い対策に効能があることも古くから知られていたようです。

ちなみに葉が開いたキャベツは現在でもヨーロッパでも栽培されており「コラード」や「ケール」と呼ばれるものがそれにあたるそうです。
実は、キャベツの原種の系統の植物は現代日本でも比較的馴染みが深いものです。
そのすりつぶしたものを飲んだことがあるかはさておき 「青汁」 といえば、少なくとも聞いたことはあるはずです。

日本にキャベツが入ってきたのはまだ鎖国中の江戸時代中期。オランダ人によって長崎に持ち込まれたそうです。
当時のキャベツは非結球のもので、食用ではなく観賞用として珍重されました。これが葉牡丹です。
現在我々が食用としている結球の食用キャベツは江戸時代終わり頃に函館や横浜に入ってきたようです。
しかしその当時はほとんど栽培されず、本格的に葉物野菜として栽培されるようになるのは日本の気候になった品種が登場する大正時代まで下ります。

ちなみにキャベツは日本名では 「甘藍(かんらん)」 とか 「球菜(たまな)」 と呼びます。
祝詞の中で具体的にお供えする神饌をいちいち読み上げることはしませんが、心に留めておくと良いのかなと思ったりします。  
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