2016年04月18日

義援金 と 義捐金

まず、熊本地震で被災された方々をお見舞い申し上げます。
また、お亡くなりになられた方には心から哀悼の意を表すとともに、ご遺族の皆様には心からお悔やみ申し上げます。

さて、地震の直後から様々な形で被災地を支援しようという動きが起こっています。
阪神淡路大震災以後、こういった動きが顕著になっていると強く感じるところです。

ただ、実際には良かれと思って行っている支援活動でも、現場ではありがたくないケースもあるようなので注意が必要ですね。


救援物資も、現場で必要とされるもの、既にたくさん集まって飽和しているもの、こういった情報を適切に収集して送らなくてはならないと思います。
また、物資を届ける手段や、届ける先についてもよくよく検討しないといけません。自力で届けに行くことで却って迷惑になったりするケースもあると聞きます。
こういったことも、過去の大きな災害に際する支援活動を通じてノウハウが蓄積されているように思います。そしてそういった注意喚起をしているサイトなどもあるので、詳しくはそちらにお任せしたいと思います。

いろいろな支援方法はあると思いますが、一番融通がきくのはやっぱりお金の支援ではないでしょうか。
勿論、被災された方々に直接お金を渡しても困ることもいろいろあるでしょうが、そうではなくて集まったお金を適切に運用してくれるところに募金するというのは有効な手段の一つだと思います。
集まったお金を必要な物資などに替える人、それらを届ける人、様々な人の手助けが必要ではありますが・・・。

こういった募金先にもいろいろと注意が必要なようで、「熊本地震への募金」と謳っているからといって安心してはいけないようです。
集まった募金が全額被災地支援に活用されないような募金を募っている団体もあるようです。
これらも、ネットでいろいろ情報が流れているようなので、気になる人は調べてみてください。


前振りが長くなりましたが、この投稿で書きたかったのは、こういった募金を ギエンキン と呼んだりするのですが、その表記についてです。
正しくは 義捐金 と書くのですが、義援金の表記も多く目にします。
「捐」という文字には「すてる」という意味があり、「義のためにすてるお金」というのが ギエンキン の本来の意味です。
ちなみに、明治時代につくられた和製漢語だとか。
これが 義援金 と表記されるようになるのは戦後のことです。

戦後、占領軍は日本人に漢字の使用を制限します。一節には、最終的には全ての漢字の使用を中止させ、できれば仮名文字の使用も中止させてアルファベットを用いたローマ字表記を使用させようと計画していたとも言います。
しかし、急遽これらを実施すると大きく混乱をきたすため「当用漢字」という漢字を定めます。当用漢字の意味は「分の間いても良い漢字」です。
尤も、脱漢字文化というのは戦後に始まったことではなく、明治期にも論争は起こっていたようですが、これらについては改めて記したいと思います。
いずれにしても、当用漢字の中に「捐」が含まれなかったために、「援」に置き換えたということです。こういった事例は他にも非常に沢山あります。それらについても、後日記述したいと思います。

何もこんな震災でまだ大変な時期に記す内容ではないとも思いますが、「義援金」という表記が気になるので記しました。