2014年04月11日

絆と縁

東日本大震災から丸3年が経過し、4年目になった今でも震災の傷跡は大きく残っているようですね。
仮設住宅で住んでいる人たちがまだ多くいるとは聞いていましたが、先日仮設住宅に住む申請をして承諾も出ているのに肝心の仮設住宅が着工されず未だ不自由な生活をされている方もいると聞きビックリしました。

さて、東日本大震災以降 「絆(きずな)」 という言葉がよく聞かれるようになりました。
震災によって 人と人とのつながり がとても大切だということが再認識され 絆 という単語に集約されて発信されています。
しかし、この 絆 を大きく取り上げる風潮に私は少なからず疑問を感じていました。
2年前の平成24年(2012年)にこのブログで 「本当の絆」 というタイトルで記事を書いていました。
http://itakiso.ikora.tv/e712772.html

この記事では 絆 の位置づけについての疑問を記していますが、それだけではしっくりとこない 「何か」 がずっと心の片隅に残っていました。
それが、先日ある方とお話をしていて氷解しました。
我々が大切にしてゆくべきことは 絆(きずな)ではなく縁(えにし)である と。
縁とかご縁という言葉は私たちは日頃からよく使ってはいるのですが、この観点はありませんでした。

そもそも 絆 という言葉の元々の意味は
①馬・犬・鷹など、動物をつなぎとめる綱。
②断つにしのびない思愛。離れがたい情実。ほだし。係累。緊縛。
とあります。(広辞苑)

Wikipediaでは加えて
人と人との結びつき、支え合いや助け合いを指すようになったのは、比較的最近である。
と記されています。

そうなんです。私自身がマスメディアが繰り返し用いる 「絆」 という単語に縛られてしまい 「本当の絆」 などという表現しかできなかったのです。でも、2年前に記したブログでも結局のところ言いたかったのは 「縁」 を大切にしようということだったのですね。

人と人との心を綱で繋ぎとめる 「絆」 ではなく、人と人の心が互いに寄り合って繋がる 「縁」 から始まる出来事がとても大切だと感じます。