2012年03月20日

春季皇霊祭と天皇陛下

昨年12月にこんな記事がでました。

女性天皇を認めるなら過酷な祭祀の見直し必要と宮内庁OB
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111221-00000019-pseven-soci

12月1日に記者会見で野田佳彦首相(54)は、「皇室活動の安定性という意味から、たいへん緊急性の高い課題だと認識している」と語り、「女性宮家」創設を検討することの重要性を述べ、皇室典範改正に関する有識者会議を発足させたいとの意向を示した。
現在、様々なメディアで展開されている女性宮家創設をめぐる議論だが、当事者である女性皇族のかたがたは、いったいどうご覧になっているかのだろうか。宮内庁の有力OBはこう話す。
「女性宮家創設が皇室典範改正を前提にしている以上、これは政治問題でもありますから、本来なら皇族が意見表明することはできないのです」
その意味で、秋篠宮さま(46)が、去る11月30日の誕生日に際した会見で、「(今後の皇室のあり方については)私、もしくは皇太子の意見を聞いてもらうことがあってもよいと思っております」と話された意義は大きい。
「女性宮家創設論が浮上しつつあることを前提にしたご発言であることは間違いありません。その議論が、陛下をはじめ当事者である各宮家のお考えと離れたものにならないよう、釘を刺されたのではないでしょうか」(同OB)
このOBはそのうえで、皇室内部に通じているからこその危惧を明かした。
「女性宮家創設論と、女性・女系天皇論は確かに表裏一体の問題です。しかし、皇室典範改正に関する議論だけでは解消しない問題があります。それは宮中祭祀のあり方です」
宮中祭祀とは、ご公務とは別に、天皇陛下が国民の幸福と繁栄を祈って行う祭典を指し、農作物の豊穣に感謝を表す新嘗祭(11月23日)や、五穀豊穣を祈る四方拝(元旦)など、年間30前後もある。
例えば四方拝は大晦日の深夜から元日の早朝にかけ、暖房など一切ない宮中で行われるもの。お体へのご負担は計り知れず、天皇陛下が過日、肺炎の治療から退院されたばかりの今回は、行われない見通しとなっている。
「ご多忙のご公務に加え、そうした過酷ともいえる祭祀を、女性天皇が続けられるのはいかがなものか。また、宮中には女性の生理や出産にともなう産褥を“けがれ”ととらえる考え方があります。そのため、女性の潔斎(沐浴などをして身を清めること)にはことのほか厳しいのです」
前出のOBはそういって、女性・女系天皇について議論するのであれば、「それら祭祀のあり方についても考えなければならない」と指摘した。
※女性セブン2012年1月1日号


私は、平成18年に「女性天皇と女系天皇の違い」についてお話させていただく機会があったときに、この宮中祭祀という視点から女性天皇は立てるべきではないという主旨を述べさせていただいたことが在ります。
(女系天皇についてはいうまでもありません)

この宮内庁OBがどういう意図で述べられたのか分かりませんが、「女性天皇を立てて宮中祭祀も減らせ」という主旨ではないと思いたいものです。


ところで、最近の天皇陛下の御不例に関わる様々な日程を拝見すると、なにやら宮中祭祀を削減させる(少なくとも陛下の親祭・拝礼が行えない)ように仕組まれているのではないかと、疑念を抱かざるを得ないように思います。

2月11日 紀元節 東大病院に検査入院

2月17日 祈年祭 翌日の心臓の冠動脈バイパス手術を控えて入院

3月20日 春季皇霊祭 胸水を抜く治療


2月11日の紀元節は、現在は特に宮中での祭祀は行われていませんが、しかし祈年祭、春季皇霊祭と2つ続けて祭典日に手術や治療に関する日程が入るというのはいかがなものでしょうか?

宮中での主要祭儀一覧(宮内庁サイト)
http://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/kyuchu/saishi/saishi01.html


宮中祭祀は「皇室の私的なお祭り」とする人たちもいるようですが、天皇・皇后両陛下には常に国民のことを思われ、国家安泰を願っておられ「私のない存在」です。つまり「公の祭り」であると私は理解しています。

勿論、陛下の玉体は大切ですから、治療・手術が緊急を要したりするのならば別ですが、そうでないのであれば、わざわざ宮中祭祀の日に重ねるというのはどうなんでしょうか?