2012年01月24日

厄除け祈願と初午

昨日は旧暦の年始でした。
この旧暦正月と立春までの僅かな期間が 前の年 と 新しい年 のオーバーラップする期間だと個人的には思っています。
(分かりにくい表現だと思いますが、上手に説明できない・・・)

さて、年が改まると人によっては厄年が始まります。
平成24年は、昭和46年生まれの男性、昭和55年生まれの女性が 本厄・大厄 と呼ばれる年回りです。
その前後各1年は、前厄・後厄と呼び、都合3年間は諸事に留意して過ごすのが良いと昔から伝えられています。
それ以外にも、昭和27年・昭和63年生まれの男性、昭和51年・平成6年生まれの女性は厄年と言われます。
地域によって(主に関東?)は、これらも前後1年を前厄・後厄と呼ぶようです。
また、最近では長寿社会を反映してか、女性の数え61歳も厄年(今年は昭和27年生まれ)とする地域もあるようです。

厄年には多くの方が厄除け祈願を行います。
厄除け祈願はいつ行うのが良いかということですが、年が明けると厄年が始まっているわけですから早いほうが良いですね。昔から節分までに行うのが良いとされています。

ところで、「厄除け祈願は初午に行うと聞きますが、今年の初午はいつですか?」といった主旨の問合せが毎年あります。
前述の通り、厄除け祈願は節分までに行うのが良いとされているのにこういった問合せが多いのはなぜなんでしょうか?

そもそも初午というのは お稲荷さん の縁日です。それ以前に「初午」というのはいつを指すのか説明したほうが良いかもしれませんね。
暦を見ますと、毎日それぞれに十二支があてられています。つまり 「子の日」「丑の日」・・・とあるわけです。「土用の丑」とか「酉の市」というのはそこから来ています。そして初午というのは「2月の最初の午の日」を言います。
この 初午 がお稲荷さんの縁日であるのは、和銅4年(西暦711年)の初午に、全国稲荷社の総本宮である伏見稲荷神社に神様が降り立ったと伝えられるからです。ですから全国の稲荷社では祭礼が行われます。

この初午の日というのは毎年変わりますが、大体節分のあたりになります。
どうやら、「節分までに行う厄除け祈願」 が 「厄除け祈願は節分に行う」 と変化し、更に 節分に前後する初午には稲荷社で祭礼が行われることから 「厄除け祈願は初午に行う」 と変化していったのではないかと推察します。
ですから、本来的には 初午と厄除け祈願 については、特段大きな関係はなかったと思われます。

ただ、稲荷神はお寺に祀られることも多く、厄除け祈願を行っているお寺では 「厄除けは初午に行いましょう」 ということになっていったのかもしれませんね。

伊太祁曽神社の御祭神、五十猛命は 『古事記』 の中で、災難に遭って生命を狙われた 大国主神 を救ったと記されています。
このことから、「いのち神」 という信仰が生まれ 「病難平癒」 「厄難祓い」 の祈願が多くあります。
1月15日に行われた 卯杖祭 は天下の邪気を祓う祭典のため、この日に厄除祈願をされる方も多くありますが、御祈願自体は原則的にいつでもお受けしております。
厄除け祈願を希望される方は、運気の良いお日様の高いうちにお参りください。  


Posted by 木霊 at 12:34Comments(0)伝統・文化