2011年11月15日

洋服記念日

毎朝NHKで放送されている連続ドラマ「カーネーション」の月曜日(14日)の葬儀のシーンで会葬者が皆紋付羽織だったことに少々違和感を覚えた方もいらっしゃるのでは?

11月12日は洋服記念日だったそうです。
明治5年(1872)11月12日に太政官布告「礼服ニハ洋服ヲ採用ス」が出され、それまでの公家風・武家風の和服礼装が廃止されたそうです。
あのシーンはこれ以後ではありますが、一般庶民の生活ですからまだまだ礼装は和服なんですね。
紋付羽織袴は和服における礼装ですから、当然葬儀のときはあれで良いのですね。

しかし、今日では紋付を着るのは何かお祝い事だけのような雰囲気が強くなってしまっています。
正月番組などでもタレントさんが羽織袴姿で出てくることが多いみたいですね。
神前結婚式でも、新郎は紋付袴姿が一般的。
そんなイメージから「紋付羽織袴=祝い事」というイメージが定着してしまってきているのでしょうか。
この太政官布告も少なからず影響はあるかも知れませんが・・・。

祖父の葬儀に際して、喪主である私の父と、そして内孫男三人は羽織袴で葬儀に臨みました。
「葬式なのに・・・」という声もわずかばかりあったとも聞いていますが、神職として寿命を全うした祖父を送るのにはやはり日本本来の礼装で送り出すべきだという思いがあったことを思い出しました。

11月12日は、明治5年の太政官布告に由来して全日本洋服協同組合連合会が「洋服記念日」に制定したそうです。